山崎賢人(24)主演で19日に公開される映画「キングダム」(19日公開)の佐藤信介監督(48)が16日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。質疑応答の中で、2006年1月から集英社「週刊ヤングジャンプ」で連載中の、原泰久氏が手掛けた漫画を実写化した佐藤監督に「漫画原作の実写化は往々にしてガッカリするが、監督の作品は素晴らしい。秘訣(ひけつ)は?」と質問が飛んだ。佐藤監督が11年に「GANTZ」、16年に「デスノート Light up the NEW world」など漫画を実写化し、高評価を得ているからだ。

もっとも、当人は「秘訣も何もない。結局、映画を作ったら良くしなきゃいけないということしか頭にない。漫画をそのまま描こうというプレッシャーはない。(原作がない)オリジナルだったとしても、映画の醍醐味(だいごみ)を見せるには、こうするだろうと考えている」と説明。その上で「原作ファンが期待しているから、こうしようではなく、僕が理想としている映画、素晴らしかった映画体験を、オリジナル映画を作るのと同じ気持ちで作っている。公開した後、原作と向き合うんですけど、作っている時は無心、0ベースで作っています。原作で自分のスタイルが変わることはなく、ぶつかっていく」と自らが良いと思う映画作りを追求していると語った。

さらに「一番理想とするのは、漫画のファンがこうだよなと思っていたのが、こんなに良くなったとビックリするような、期待を凌駕すること。ストーリーを知り、感動を得ている人に新たな感動を与える。映画ならではの良さをたたき出したいのが理想」と、原作ファンの想像を上回ることを目標に揚げた。

一方で「原作を全然知らない人が見ても、こんなに面白い映画があったんだ、漫画も面白いんだ、というようにしたい。何の勉強をしなくても見て楽しいもの…その2つを目指し、原作を読み解いている」と、原作を知らない人が映画を見て、原作に向き合うような楽しい映画を提示することを、もう1つの目標に挙げた。

また山崎を主演として起用した狙いを聞かれると「事実を言うと、山崎賢人氏はプロデューサーが決定していた。大人気の漫画を、山崎氏でやるというプロジェクトだった」と、プロジェクトの立ち上げ段階で主演が決まっていたことを明かした。その上で「スマートで熱量が高く、ああでもないこうでもないと話し合って作ったけれど、昔からこういう役をやっていたかのようになじんでいた」と山崎をたたえた。

「キングダム」は、紀元前の中国春秋戦国時代を舞台に、山崎演じる戦災孤児の少年・信が、吉沢亮(25)演じる中華統一を目指す若き王・■政(えいせい=後の秦の始皇帝)とともに大将軍になる夢に向かって突き進んでいく歩みを壮大なスケールで描いた物語。原作は2019年1月現在、単行本は53巻まで刊行され、累計発行部数3800万部超と大ヒットしている。最新54巻が映画の公開初日の19日に刊行される。

 

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