市川海老蔵(41)の長女、堀越麗禾(れいか)ちゃん(7)が「4代目市川ぼたん」を8月に襲名することが12日、分かった。

海老蔵が家元を務め、同月行われる日本舞踊市川流の「市川會 三代襲名披露」発表会見が都内で行われ海老蔵の叔母、市川紅梅(70)の初代寿紅、妹の市川ぼたん(39)の4代目翠扇襲名とともに発表された。海老蔵は亡き妻小林麻央さんに思いをはせ「麻央も喜んでいると思います」と話した。

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会見には海老蔵、紅梅、ぼたん、麗禾ちゃんがそろって出席した。市川流3代同時襲名となり、海老蔵は「父(12代目團十郎さん)は他界し、私とせがれは3代襲名できませんでした。しかし、女性の方では叔母と妹と娘が3代で襲名できる。こんなにめでたいことはない」と喜んだ。

自身は来年5月に13代目市川團十郎白猿の襲名を控えるが「自分の襲名よりもこちらの襲名の方がうれしい。私にとっても、父にとっても、麻央にとってもうれしいことです」と、17年6月34歳で亡くなった妻麻央さんにも思いをはせつつ、ほほ笑んだ。

麗禾ちゃんは父海老蔵に手を引かれ、紅白の着物で登場した。紅梅、ぼたんの襲名あいさつに続き「このたび私、堀越麗禾は、市川ぼたんの名跡を4代目として相続いたします」と堂々と話した。紅梅やぼたん、他流の舞踊家から稽古を受ける日々を「楽しいです」と言い、舞台に上がることも「緊張しません」。ぼたん襲名も麗禾ちゃんの意志だったという。目標について聞かれると照れて口ごもり、その後、父に耳打ちした。海老蔵は「市川ぼたんとして、私の團十郎襲名公演に出たいようです」と、娘の気持ちを代弁した。

会見は母の日に行われた。麻央さんに声を掛けてから家を出たという海老蔵は「麻央も喜んでいると思います」。稽古好きの麗禾ちゃんとは対極の、自身の幼少期を振り返り「稽古しない、勉強しない、学校行きたくない、歌舞伎座もあまり行かなかった。(熱心な性格は)麻央のDNAのおかげだと思います」と笑った。

海老蔵主催の「市川會 三代襲名披露」は8月3~12日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで、日本舞踊の襲名興業としては異例の10日間13公演を行う。海老蔵は会見で「市川流を知ってもらう第1歩にしてもらえれば」と話した。来年5~7月の團十郎披露興業中に8代目市川新之助として初舞台を踏む長男、堀越勸玄君(6)は「玉兎」に出演。麗禾ちゃんは口上を述べ、「羽根の禿」に登場する。【遠藤尚子】