香取慎吾(42)が13日、宮城・塩釜市の水産仲卸市場で行われた映画「凪待ち」(白石和弥監督、28日公開)の完成報告試写会にサプライズ登場した。同所は作品のロケスタート地でもある。

香取は市場関係者約70人を前に「1年前ここで撮影させていただいて、とっても良い映画になっております」とあいさつ。年齢層が高めだったことから、会場を見渡し「僕のファン層の年齢が上がったなって」と話し笑いを誘った。

同映画は、香取演じる主人公がパートナーの女性の故郷、宮城県石巻市で再出発しようとする、喪失と再生を描く人間ドラマ。石巻市、塩釜市、女川町などでロケを行った。

同市場がロケスタート地ということもあり、香取は、初日を振り返り「市場が役をつくってくれた。本当に昼間から、お酒を飲んだ人に絡まれたりして、ストーリーに入っていくのにぴったりな場所だった」と語った。

石巻市周辺は11年の東日本大震災で甚大な被害を受け、香取も震災直後の11年7月に訪れている。香取は「撮影をしていたらビニールいっぱいに飲み物を持ってきてくれたお姉さんがいて。笑顔なんだけど、目に涙いっぱいためていて。話をしたら家族が震災でみんな亡くなってしまったという話をしてくれて。その時に、この映画を頑張ろうと思いました」と明かした。また、被災地については、「震災直後に見た時と比べると復興している部分もあれば、いろんな人と震災の話したら当時を、写真を見せてくれながら話してくれる人や、目を伏せてしまうおばあちゃんもいた。心への残り方もみんな違うんだなって。いろいろ考える時間になりました」としみじみと語った。