歌舞伎俳優中村壱太郎(かずたろう=29)が9日、東京・歌舞伎座稽古場で「夏休み! 歌舞伎自由研究」(13~14日、歌舞伎座ギャラリー木挽町ホール)で上演する新作「四勇士 ~友と共にあめアメふれフレ~」の公開稽古を行った。

壱太郎は1人で6つの役割を担う。脚本、演出、振り付け、出演に加え、場面ごとに加える音楽を決める作調も手掛け、さらに、出演する「こども歌舞伎スクール寺子屋」の生徒15人への指導も行う。

これまでも作、演出を手掛けたことはあるが、今回の新作を書き始めたのは7月になってからだという。壱太郎は「7月は舞台に出ていたので、楽屋で死ぬ気で書いてました。今まで『まだ台本来ないの!?』と言ってきましたが、これからは言いません」と苦笑いした。

出来上がりには自信を持っている。「子供たちが演じますが、子供向けではなく、大人も楽しめる物語です。僕のバックは『ドラゴンクエスト』。仲間を見つけ(敵を)退治するというロールプレーイングゲーム(RPG)のようで入りやすい。勇者は女の子というのもおもしろいと思います」。

子供たちに指導することで、刺激も受けている。壱太郎は「基本が合っているのかという自分への問いかけにもなっています」と話した。

「夏休み! 歌舞伎自由研究」は、「四勇士」のほか、中村鷹之資(たかのすけ)、片岡千之助、中村玉太郎ら、回替わりゲストを迎えてのトークショーがある。2日で5公演。