嵐が、11月9日に行われる天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」で、奉祝曲の歌唱を担当することが24日、都内で行われた同祭典の企画発表会見で明らかになった。

来年末の活動休止を前に大役を担う。国民的な大人気グループだけに、当日の警備なども注目される。

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嵐は99年にシングル「A・RA・SHI」でデビュー。式典6日前の今年11月3日には、デビュー20周年記念日の節目を迎える。「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」の総合演出を手がける黛りんたろう氏は「国民的歌手であるということ。幅広い世代に親しまれている。アーティストとしての実績はもちろんだが、とにもかくにも国民に非常に親しまれている」と嵐の起用理由を説明した。

大役を任され、櫻井翔(37)は「一人でも多くの方をほんの少しでも笑顔にすることができたら。ただただその想いのみで、エンターテイメントを追い求めてきただけのグループです。そんな私たちにとって、大変畏れ多く、身に余るお話」とコメント。「国民に寄り添い、想いを寄せておられる陛下に、日々の感謝の想いをお伝えし、お祝いの会に少しでも華を添えられますよう、心を込めてパフォーマンスをしたいと思います」(原文まま)と意気込んだ。

同祭典は2部構成で、奉祝曲は第2部の祝賀式典で披露される。奉祝曲は天皇陛下の長年の研究分野である「水」をテーマに、脚本家岡田恵和(よしかず)氏が作詞、菅野よう子氏が作曲を担当。盲目のピアニスト辻井伸行氏がピアノ演奏も行う。オーケストラ演奏、辻井氏のピアノソロ、嵐の歌唱の、3つのパートに分かれた組曲。完成間近だという。

99年にはX JAPANのYOSHIKIがピアノ演奏を、09年にはEXILEが歌唱やダンスを、ともに上皇さまの天皇陛下即位の節目を祝う国民祭典で披露した。当時も多数の観客が訪れたが、今回も嵐の姿を一目見ようと多くのファンが集まりそうだ。「天皇陛下御即位奉祝委員会」によると、今後警視庁などと具体的な警備態勢について調整していくという。

祝賀式典は観客の約1万人を参加費無料で一般公募し、定員を超えた場合は抽選となることを発表している。同委員会は「転売行為などの不正が分かったら当選を無効にさせていただくということも考えています」と明かした。嵐のコンサートなどでファンが持つペンライトやうちわなどの持参可否については「今後ジャニーズ事務所と相談する」とした。ファンも注目の式典となりそうだ。

○…国民祭典の第1部は、午後1時半から皇居周辺の内堀通りで郷土芸能の祝賀パレードを行う。第2部は午後5時10分から二重橋前の特設舞台で実施。俳優谷原章介(47)と有働由美子アナウンサー(50)が司会を務め、奉祝曲のほか、安倍晋三首相や歌舞伎俳優の松本白鸚(77)女優芦田愛菜(15)らが祝辞を述べる。宮内庁を通じて天皇、皇后両陛下にも出席を要請している。1部、2部合計で6万人の参加者を見込む。国民祭典は経団連などでつくる天皇陛下御即位奉祝委員会や、超党派の天皇陛下御即位奉祝国会議員連盟などが主催。