宝塚歌劇団「新世紀の顔」の1人、花組トップ明日海(あすみ)りおが30日、兵庫・宝塚大劇場で、退団公演「A Fairy Tale-青い薔薇の精-」「シャルム!」の千秋楽を迎え、本拠地ファン8000人にガッツポーズで別れを告げた。

おりしも、劇場周辺は各所の改装などで、大規模工事中。工事の柵で覆われた外の道路からも、ファンが見守った。

当初はこの日、雨予報だった。明日海は「晴れ男役」を自認し、以前「子どもの頃からイベントはいつも晴れでした。きっと(サヨナラも)晴れると思います」と話していた。

そんな「晴れ男役」のプライドにかけて「けっこう前から天気予報をチェックしていた」。そして、その予報が「最初は雷マークで、それが雨マークになって、曇りまできた。なので、これは晴れるなと思ってました」とニッコリ。さすがの? パワーで、この日朝には、太陽ものぞき、明日海は「朝一番、起きたら晴れていて、ガッツポーズしました」と語った。

男役を愛して17年。初観劇したこの大劇場でのラストデー。ファンは早朝から明日海を見送るパレードの準備をし、会場周辺に待機して待った。白のそろいの衣装、グッズを手にしたファンは整然と並び、タカラジェンヌの正装、はかま姿で明日海が、ファンが作ったゲートをくぐると、拍手で出迎えた。

ファンは声をそろえて「今、この瞬間を忘れないでいたい」「明日海さん、最高~っ」と発して、明日海は何度も頭を下げつつ、朝と同じくガッツポーズを繰り返していた。