書道10段で師範の資格を持つ、TBSラジオ「ACTION」(月~金曜午後3時30分)のアシスタントを務めるフリーアナウンサー幸坂理加(30)が4日、書き初めで「感謝」と記した。「ACTION」の月曜パーソナリティー、脚本家宮藤官九郎氏(49)の宮城県栗原市にある実家の文房具店で買い求めた筆で、墨痕鮮やかに書いた。

「宮藤さんのご両親にも会ったんですけど、すごく優しい方でした。どんなやんちゃな子供でも優しい性格になるだろうなと、包み込むような優しさを感じました。宮藤さんは発想力が豊かで、頭の中がどうなってるのかと思うんですが、あのご両親からあのアイデアが生まれてくるんだなと思いました」と話している。

昨年4月の「ACTION」スタートと同時に月曜から金曜までのアシスタントを務めている。パーソナリティーは月曜が宮藤氏、火曜がミュージシャン尾崎世界観(35)、水曜がヒップホップユニットCreepy NutsのDJ松永(29)、木曜が芥川賞作家羽田圭介氏(34)、金曜がライター武田砂鉄氏(38)。

個性豊かな顔触れに、幸坂は「皆さん、少年心、遊び心のあるトークを展開しています。私が猛獣使いのように言われてますが、そんなことはありません(笑い)。助けられることばかりで、本当に自由にやらせていただいています。私の方が、皆さんより変わっていると思います」と笑う。

尾崎について「言葉のチョイスがすごくすてき。塵(ちり)でも埃(ほこり)でも、なんでも褒める。なんでも、いいところを見つけようとするところを尊敬しています。見習わなきゃと思っています」。

DJ松永は昨年9月、DJの世界大会「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIP FINAL 2019」で優勝した。幸坂は「世界一になって、ノリにノッています。パワーをいただいていますね。DJなのでチャラチャラしてると思われがちなんですが、二宮金次郎みたいな真面目な方なので、そこも刺激になっています」。

羽田氏については「すごく素直な方で、まるで癒やされに来ているようなものですね。言葉1つ1つにうそがなくて、すごく信頼できる感じです」。

武田については「毎回、勉強をさせてもらっています。社会の理不尽なことに切り込んでいってます。砂鉄さんとは、いつも意見が合わないんですけど、そこも楽しんでやっています」

昨年3月に故郷の秋田放送を辞めて、就職活動のために上京。所属する生島企画室の生島隆社長と出会い、3日後のオーディションでアシスタント起用が決定した。

幸坂は「今でも秋田の天気予報が気になって、見たりするくらい“秋田感”が抜けないですね。番組のゲストの方たちがそうそうたるメンバーなので、毎回のように『東京に出てきたんだ』という感じを味わっています。いつになったら慣れるんだっていう感じです」と笑う。

秋田の家族とは、毎日のように連絡を取っている。「ホームシックにならないように毎日、家族に“日報”を送っています。今日はこんな感じと、電話やメールで。でも、辛口の両親なんで、ラジオを聞いて『こうした方がいいよ』とか『おうむ返しはやめた方がいいよ』って(笑い)」。

昨年の決断を振り返って「正社員という安定を捨てて、フリーという世界に飛び込みました。先の進路が何も決まらないままの挑戦でしたが、木曜に社長に紹介していただいて、日曜のオーディションで『ACTION』が決まった。人生のターニングポイントで『なんとかなる』ということを知りました(笑い)。大冒険大成功でした。書き初めの『感謝』は、その気持ちです」と笑顔を見せる。

今年の目標は現状維持。「1歩1歩着実に階段を上っていけたらと思っています。地に足をつけて、フワフワしないようにというのが目標です。でも、東京っていうのは可能性に満ちていますからね。スポーツの取材にも挑戦したいと思っています。ラグビーW杯日本代表チームのパレードを見に行って、生の選手の迫力を感じました。ラグビーの現場に行って、取材するお仕事ができたらいいですね」と話している。【小谷野俊哉】

◆幸坂理加(こうさか・りか)1988年(昭63)5月13日、秋田県能代市生まれ。法大経済学部を卒業して、11年にアナウンサーとして秋田放送入社。「ABS news every」、ABSラジオ「ごくじょうラジオ」などのキャスターを務める。19年3月退社して、4月から生島企画室所属。書道10段。