【台北12日=大友陽平】EXILEが、“台湾の紅白”と呼ばれる台湾電視公司(テレビ)の「2020超級巨星紅白藝能大賞」(現地で24日放送)に初出演し、台北アリーナで行われた収録に臨んだ。結成以来、グループとしては台湾初上陸。昨年6月に台湾の国民的女優リン・チーリン(45)と結婚したAKIRA(38)は、現地メディアから質問攻めに合うなど注目度の高さをうかがわせた。

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「放浪兄弟」(中華圏でのEXILEの呼び名)が、白組のトリとして、台湾で初パフォーマンスした。ATSUSHI(39)が「今のEXILEの勢いを象徴するというか、ギュッと凝縮できる曲」と話す、18年大みそかの「NHK紅白歌合戦」でも歌った「Heads or Tails」を特別バージョンで披露。会場の1万1000人から大きな歓声を浴びた。

グループではこれまで、中国や香港でパフォーマンス経験はあったが、台湾では初めて。AKIRAの結婚もあって、今回のスペシャルゲストとしての出演が決まった。注目の高さを表すように、前日11日の訪台時には、空港に約500人のファンやマスコミ30社が集結。この日、本番前に同局で行われた会見にはムービーカメラ30台、約100人の取材陣が駆けつけた。

AKIRAが流ちょうな中国語で「大家久等了、我們來了!(皆さん、お待たせしました。やってきました!)」などとあいさつすると、会場からは拍手が起こった。その後は、現地メディアからの質問攻めにあった。チーリンは台湾で「国民的お姉さん」と呼ばれており、結婚後、AKIRAも「国名姐夫(グオミンジェーフー=国民的お兄さん)」と呼ばれているという。

ATSUSHIから「ジェーフー」といじられ、TAKAHIRO(35)も「僕らは“国民的弟”として活躍したい」と笑顔を見せた。AKIRAは「結婚して、台湾やアジアの方に温かく迎えてくださって、感謝の気持ちです。今後、パフォーマンスで恩返ししていきたいです」。

AKIRA効果をはじめ、ATSUSHIも初の台湾でのパフォーマンスに「初めて熱を感じられました」。16年に、映画のイベントで訪台したこともあったTAKAHIROは「当時から『EXILEを連れてきて』という声が多かった。今度は単独ライブができれば」と約束した。

◆LDHと台湾 09年9月にLDHが展開するエンターテインメントスクール「EXPG STUDIO」台北校が初の海外校として開校。14年にAKIRA、16年にTAKAHIRO、登坂広臣らがドラマや映画のイベントで訪台経験があり、登坂は昨年、台北でEXILE TRIBEのソロアーティストとして初めて海外単独公演を行った。GENERATIONSは、14年、15年、17年に単独公演を開催。この日の会見でEXILEと兼任の白浜亜嵐(26)は「EXILEとしても今回来ることができてうれしいです」と笑顔を見せた。

◆超級巨星紅白藝能大賞 台湾電視公司(テレビ)で10年から大みそか(旧正月)に放送している人気音楽特番。NHK紅白歌合戦のように、紅白に分かれてライブパフォーマンスが行われる。毎年、アジアで活躍するアーティストがゲスト出演しており、日本からは過去に青山テルマ、西野カナ、西川貴教、中島美嘉、ASKAらが出演したことがある。