俳優長谷川博己(42)が、16日、都内で、主演するNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(19日スタート、日曜午後8時)の初回の試写会に出席し、会見を行った。当初出演予定だった沢尻エリカ被告(33)の昨年11月の逮捕後、同番組の会見に出席するのは初めて。長谷川は「真っ白になった。言葉も出なかった」と当時の心境を明かした。ただ、今は、気持ちを切り替えて普通に撮影を行っていると元気に語った。

長谷川は会見の冒頭のあいさつで「いろいろありまして、ようやく、こうやって皆さんに作品をお届けでき、ひとまず安堵(あんど)しています」と、沢尻被告の事件の影響をうかがわせた。続けて「それぞれの役割をスタッフ、キャストを含めて最大限に発揮できるように1年間頑張っていきたい」と意気込みを示した。

当初出演予定だった沢尻被告は斎藤道三の娘で、織田信長の正妻という第2のヒロインともいえる重要な帰蝶(濃姫)の役だった。現在、合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われている。昨年11月16日に逮捕されたが、同6月に撮影が始まり、10話分が収録済みだった。NHKは急きょ同11月21日に代役を川口春奈と発表し、12月から撮り直したが放送開始日は1月5日から同19日へと遅れた。

長谷川は、この日の会見で、昨年11月に事件を聞いた時の様子を「その時は(頭が)真っ白になりましたし言葉も出なくて、ショックを受けました」と説明した。それでも「それで、みんなが、いろいろすごく心配してくれたが、1週間ぐらいたって川口さんが(代役に)決まり、すぐ切り替えて、川口さんの話だったんじゃないかというぐらい普通に撮影をしていった感じでした」と前向きに撮影に臨んでいたとした。さらに「雑誌には『長谷川博己激怒』と書かれたが、全然、激怒はしていない」と笑った。最後は「彼女ももったいないことをしたなと思ってはいます」と沢尻被告自身についても触れた。

一方、代役の川口については「ストレートに芝居をしてくれる。持ち前の魅力で姫っぽさもあって屈託のない感じだが、たまに意表を突かれる。いろいろなものが生まれそうでワクワクした感じがしています」と期待を寄せた。