新型コロナウイルス感染による入院が明らかになったタレント志村けん(70)が、30日スタートのNHK連続テレビ小説「エール」(主演窪田正孝)の収録に参加していたことが明らかになり、NHKは対応に追われている。直近では3月6日の収録に参加しており、25日、定例会見を行った木田幸紀放送総局長は「念のため、出演者やスタッフの体調の確認を進めている」と話した。

「エール」は、これまでもさまざまな試練に見舞われている。

昨年10月には、東日本を直撃した台風19号の影響により、恒例のロケ取材会が中止となり、主演の窪田が見どころを語ることができなかった。同11月には、脚本家林宏司氏の途中降板が発表され、清水友佳子氏ら3人態勢に変更という異例の事態に見舞われた。

コロナ関連では、放送スタートの数週間前に行われるマスコミ向けの試写会も、今年は主演の登壇なし。3月18日から8回に分散して希望者を募り、1ケタ人数で座席の間隔を十分にあける小規模開催となった。主演にとっては、感想を聞いたり見どころをPRしたりと、放送直前の晴れ舞台となるはずだったが、かなわなかった。

28日に最終回を迎える「スカーレット」の主演、戸田恵梨香とのバトンタッチセレモニーも、取材陣を入れない初の形で行われた。窪田は26日から福島でスタートする聖火リレーのランナーにも起用されていたが、東京五輪の延期合意を受け、聖火リレーも中止となった。

ドラマは、夏の全国高校野球の歌「栄冠は君に輝く」など数々の名曲を生んだ作曲家古関裕而氏をモデルにした物語。夏の大会ではないものの、春のセンバツ高校野球も中止となっている。

ネット上では、「窪田君が心配」と案じる声のほか、「コロナに振り回されっぱなしの世の中にエールを届ける作品を」「もうすぐ、毎日窪田くんを見られる」「音楽と笑いと愛があふれる朝ドラで胸躍らせてもらう」「エールが始まるのが救い」など、エールが寄せられている。