第102回全国高校野球選手権大会(甲子園)が新型コロナウイルスの感染拡大影響で中止となり、各地で代替大会が行われる中、永瀬正敏(53)は自身が主演した14年の台湾映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」(マー・ジーシアン監督)を高校球児に見て欲しいと望んだ。

「KANO-」は、1931年(昭6)に甲子園の前身の全国中等学校優勝野球大会に日本統治時代の台湾から初出場し、準優勝した嘉義農林の実話を描いた。永瀬は劇中で、1勝も出来ない野球部を徹底的に鍛え抜く中で、のびのびと野球に取り組む選手たちの姿を見て指導者として成長していく、近藤兵太郎を演じた。

今年はコロナ禍で夏の甲子園が79年ぶりに中止されただけでなく、春のセンバツも史上初の中止に追い込まれた。永瀬は「高校球児の皆さんやお客さんの安全を考えると、しょうがない…苦肉の決断でしょうけど。これを糧に、ここでくじけずに社会人になる人も、頑張っていって欲しいと思います」と高校球児の心中をおもんぱかり、エールを送った。

こうした時期だからこそ、高校球児をはじめ、さまざまな人々に改めて見て欲しいのでは? と問われると「『KANO-』は、1勝も挙げられなかったチームが、苦境を乗り越えて準優勝した実話。甲子園が、ちょうど開催するはずだった期間に…ね」と笑みを浮かべた。【村上幸将】