米大統領選での敗北が確実となったトランプ大統領のめいで、今年7月に出版された暴露本「世界で最も危険な男」の著者でもある心理学者のメアリー・トランプさん(55)が、「2024年に行われる次の大統領選に叔父は出馬することはないだろう」と語った。

トランプ大統領の兄フレッド・トランプ・ジュニア氏の娘で、トランプ一族の内情を告発した著書が話題になったメアリーさんは、CNNテレビのインタビューで「一族にとって敗者になることは最悪のこと。敗者になることは弱いことで、自分を価値のないものにすること。叔父は今までさまざまな手段を使って勝ってきたが、今、人生で初めて負けから抜け出せない状況に追い込まれている。再び敗北することに耐えられないので2024年に立候補はしないだろう」と語った。また、根拠なくバイデン氏の勝利は不正だと主張を続けるトランプ大統領の心境について「恐怖、怒り、無力感に襲われている」と推察している。

一方、仮に出馬を決めたとしても4年後は78歳で、同年齢のバイデン氏と比較してもファストフード好きでエクササイズもほとんどしない不健康な生活を送り、精神障がいもあるトランプ大統領に選挙戦を行うことはできないと思うとコメントしている。

起死回生を狙って法廷闘争に持ち込むなど、抵抗を続けるトランプ大統領を巡り、長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏と次男エリック・トランプ氏の2人の息子は支持しており、今後も敗北を認めずに戦いを継続することを強硬に主張していると言われている。

また、ホワイトハウス顧問を務める長女のイバンカさんと夫のジャレット・クシュナー氏は負けを認めるよう説得していると、関係者の証言として一部で伝えられている。CNNによるとイバンカさんとクシュナー氏は法廷闘争で選挙結果が覆る見込みはないとみており、ジョージア州で行われている手作業での再集計が20日に終わった後、早ければ来週にも敗北を認めることを望んでいると伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)