俳優菅田将暉(27)とロックバンドSEKAI NO OWARIのボーカルFukase(35)が、映画「キャラクター」(永井聡監督、来年6月公開)で共演することが7日、分かった。

主演の菅田は漫画家、俳優デビューとなるFukaseは殺人鬼を演じる。2人のコラボは芝居、音楽など含め初めて。9月にクランクイン、10月に撮了した。

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売れない漫画家が、偶然目撃した殺人犯の顔をキャラクター化して漫画を描いてしまった-というオリジナルストーリー。「20世紀少年」など多くの漫画原作を務め、今回、原案と脚本を手掛けた長崎尚志氏や、プロデューサーでヒットメーカーの川村元気氏らが10年をかけて練り上げた。

菅田演じる主人公の漫画家・山城は、悪人を描けずもがいている。実際に目にした本物の悪をきっかけに売れっ子漫画家になっていく。罪の意識にさいなまれる難役でもある。菅田は「オリジナル脚本で『キャラクター』という題材。キャラクターとは個性でありその人の生きざま。今とても重要なテーマだと思い向き合っていきました」とコメントしている。

菅田が主演した映画「帝一の國」(17年)でプロデューサーを務めた村瀬健氏は「菅田さんは、喜怒哀楽だけではない、いろんな色を持っている。10年かかって見つからなかった役者」と、菅田の存在が映画化を推し進めたとした。「帝一-」、今回の作品ともにメガホンを取った永井監督と菅田は、話し合いながら役作りしていったという。

人気漫画家の前に再び現れる殺人鬼・両角をFukaseが演じる。新鮮で想像がつかず、アーティスティックな人物を探したどり着いた。OKの返事が出るまでには1年ほどかかったという。Fukaseは、その間に芝居のワークショップに参加したり、役への理解を深めていった。

Fukaseは「オファーをいただいた時はとても悩みました。1年以上の長い時間をかけて準備することができたので、撮影が始まると程よい緊張感の中、非常に楽しく過ごさせていただいて、クランクアップを迎えた時には涙があふれそうになりました」と話している。

Fukaseの俳優デビューについて、菅田は「現場でのたたずまいが俳優部すぎて驚きました。初映画だと聞いてましたが、全然そんな感じはなく、学ぶところだらけでした。物作りと向き合うFukaseさんはとてもかっこよく、少しはかなげで美しかったです。きっとびっくりすると思います」と話している。

○…菅田とFukaseには縁があった。菅田が高校生のころ、初めて買ったCDが、「世界の終わり」名義で活動していたセカオワのインディーズ時代の作品だという。14年に菅田が出演した映画「海月姫」の主題歌をセカオワが手掛け、菅田がスタジオを訪問したという。その後、互いのライブに行くなどして交流していった。関係者によると、菅田は、芝居初経験のFukaseが撮影に入りやすいように雰囲気づくりなどを気に掛けていたという。