漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画「鬼滅の刃」の勢いが止まらない。8日発表の11日付オリコン週間コミックランキングで、7巻が6万9000部、8巻が6万6000部の売り上げを記録。累積売り上げを、それぞれ500万9000部、503万部と伸ばし、2作同時に累積売り上げ部数500万部を突破した。

前回の4日付では、1巻の週間売り上げが10万7000部を記録し、累積売り上げを502万9000部とし、2008年(平20)4月7日付からスタートした同ランキング史上初の累積売り上げ部数500万部突破を達成。「鬼滅の刃」の、同ランキング累積売り上げ部数500万部突破作品は通算3巻となった。

「鬼滅の刃」は、2016年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話、掲載された。大正時代を舞台に、主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう、アニメの声=花江夏樹)が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、同=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探して戦っていく物語。19年4月から9月までアニメが放送され、人気が爆発的に高まった。

10月16日に封切られたアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)は、20年12月26日までに興行収入(興収)317億2123万1550円を記録し、01年の宮崎駿監督のスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」が記録した316億8000万円を超え、日本映画の歴代興収記録を更新。27日には興収324億7889万5850円、動員2404万9907人を記録。年明け3日までに興収346億円を突破と、日本映画史を塗り替える記録的なヒットを続けている。

劇場版は、11日付オリコン週間コミックランキングで2作同時に累積売り上げ部数500万部を突破した7、8巻をアニメ映画化した。40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと史上最強の敵・魘夢との激闘が描かれた。テレビシリーズにも出た鬼殺隊の最高位“柱”の1人で、炎の呼吸を使う煉獄(れんごく)杏寿郎(同=日野聡)が任務に挑む姿が初めて描かれ、後輩の炭治郎らに激励の言葉を投げかけるなど、おとこ気のある姿勢に共感の声が相次いだ。映像美も評判で、終盤に煉獄が上弦の参の鬼・猗窩座(あかざ、同=石田彰)と激闘を演じるシーンをはじめ、アニメを超え、実写の質感があると評価が高い。

20年12月4日には、原作の最終23巻が発売された。初版発行部数は異例の395万部ながら、全国で朝から書店に行列が出来るなど社会現象を巻き起こした。506円(税込み)の通常版に加え、炭治郎と禰豆子、炭治郎と同期の我妻善逸(あがつま・ぜんいつ、同=下野紘)、嘴平伊之助(はしびら・いのすけ、同=松岡禎丞)のフィギュア4体が同梱された5720円(税込み)の特装版を予約受注以外に店頭で販売する店もあり、争奪戦も展開され、即日完売となっていた。