吉永小百合(75)が4日、国際対がん連合(UICC)日本主催のイベント「UICCワールドキャンサーデー2021 Light up the wolrd I AM AND I WILL 未来にひかりをつなぐ ライトアップ点灯式」に登壇した。

ワールドキャンサーデー(世界対がんデー)は、世界中で人々ががんのために一緒にできることを考え、約束を取り交わして行動を起こす日として2月4日に定められた記念日。世界が一体となって各地でさまざまな取り組みが行われる。吉永は主演映画「いのちの停車場」(5月21日公開)で、122本目の映画で初の医師を演じたこと、成島出監督も17年に肺がんを宣告され、1年以上にわたった闘病生活を乗り越えてメガホンを取ったことから、イベントの趣旨に賛同して初めて参加した。

吉永は「いのちの停車場」で、東京の救命救急センターで働いていた中、ある事件をきっかけに故郷金沢のまほろば診療所で在宅医師として再出発する白石咲和子を演じた。劇中には、小児がんで苦しむ少女と向き合うシーンもある。「志願してドクターの役をやらせていただいたんです。というのも、小さい頃から体が弱くて、ずいぶん、病院の先生にお世話になった。ですから1度、と思っておりました。やってみると大変で、今までの役の中で一番、難しかったような気もしております」と役どころについて語った。

その上で「さまざまな患者さんに1人ずつ、悩みを聞いて寄り添うことの大切さを、役を演じることで初めて知りました」と、医師を演じて初めて感じた医療への思いを吐露。「その方(患者)たちに、どういう風に向き合うかは大事なこと。ドクターだけじゃなく、家族も、友だちも、みんな、温かいサポートをしてあげることが大事なんだと、改めて思いました」と、切々と語った。

乳がんの早期発見・早期治療を目指し、患者に対する支援を行う活動「ピンクリボン運動」は知っていたが、全世界90カ所以上が参加し、各地でライトアップが行われる今回の点灯式への参加は初めてだった。吉永は、北海道から福岡まで全国16カ所をZoomでつなぎ、行われた点灯式の映像を見て「とても美しいライトアップで感動しております」と感想を語った。その上で「2000年から続けていらっしゃる。初めて参加させていただいて…私の友人、家族も、がんで苦しんでいる人がいますので、今日の日を忘れないで、良いサポーターになりたい」と今後の協力も示唆した。

そして「私は映画俳優です。そして、命の大切さを、映画を通して伝えていきたいと思っております」と、映画俳優としての、切なる思いを訴えた。