米国発の招待制音声SNSアプリ「Clubhouse(クラブハウス)」が、1月下旬ごろから日本でも広がりを見せている。ハマる著名人も増える中、一体どんなアプリなのか? 定期的に配信を行っている安田大サーカスのクロちゃん(44)と高橋みなみ(29)が17日、都内で取材に応じ、同アプリの楽しさや、向き合い方について語り合った。【取材・構成=村上幸将、大友陽平】

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もともと親交が深い2人が、クラブハウスでトークを配信し始めたのは先月30日のこと。先に同アプリに登録していた高橋から誘う形で始まったという。

クロちゃん 最初はサンドイッチでも一緒に食べにいこうって誘われたのかと思った(笑い)。

高橋 普段はSNSを始めるのも遅いんですけど、最初に始めた方が強いよなとは思っていて。ただ1人で話すのも心もとないので、ピンときたのがクロちゃんでした。

毎晩開始時間を決めて、よもやま話を展開し、この日で19日目。ラジオのような空気感と飾らない2人のトークは、ファンのみならず、著名人にも好評だ。「ルーム」と呼ばれるトーク部屋に入り、主催者が招待すれば、一緒にトークすることができるのも魅力の1つだ。

高橋 いつも、ビビる大木さんや若槻千夏さんが来てくれるのですが、先日市川海老蔵さんが聞きに来てくれた時はビックリしました!

クロちゃん まさに他のメディアでは考えられないような“ドリームマッチ”が実現するんですよね!

ルーム内でのトーク内容を口外することや録音は禁止されており、アーカイブ化もされないことから、その場限りの配信が楽しめる一方で、「クラブハウス疲れ」でアプリの使用をやめる著名人も増えている。すぐにアプリにハマッたクロちゃんも「頭がパンパンになったり、気付いたら飯を食べてなくて、(TBS系「水曜日のダウンタウン」での)ダイエット企画が終わったのに、一時は痩せた(苦笑い)」という。

今後もアプリの利用者が拡大する可能性もある。連日配信し続ける2人は、独自にルールを決めて実施しているといい、利用者にも薦める。

高橋 知識を共有し合ったり、討論するのもおもしろいのですが、そればかりだと聞きに来てくれる人も、やる人も疲れてしまって、長期でやるのには向かないのかなというのも分かってきました。なので私たちは、小難しい話をすることはなしにして、日々あることを、ダラダラ話すのがいいと思ってやっています。

クロちゃん 僕らのトークには、いつも(有益な)情報はない!(笑い)。たかみなとやろうと思ったのは、芸人同士だと内々になってしまうし、たかみなをルームの主催者にすることで、たかみなとゆかりがないと思われる人は、上げなくていいというルールが出来る!

高橋 利用するなんて、なんて人だ!(笑い)。でも確かに、誰をトークに招待して、しなくて…というのもありますし、そういう意味でも、基本は2人で配信すると決めています。それといくら口外されなくても、言ってはいけないことはもちろんありますし、お互いストレスをためるのもよくないですからね。

クロちゃん やり続けないと、分からないこともあると思います。最初はラジオと競合するのかな? とも思いましたが、逆にラジオに興味を持ったという声もありました。台本が用意されていないからこそのトークもあると思いますし、すてきなコンテンツなので、注意しながらやっていきたいです。あとは、クラブハウスにギャルの波が来てほしい!

高橋 結局、そこかいっ!!(笑い)

元々アイドル好きでAKB48ファンでもあるクロちゃんだが、2人が親交を深めたのは高橋がグループを卒業した後のこと。高橋が、ファンクラブイベントの司会をクロちゃんに依頼したことが始まりだ。

高橋 旦那さんとも元々縁があって、家族ぐるみの付き合いに。2年連続で年越しに会ってます(笑い)

クロちゃん たかみなはすごい気のつかい方をしてくれますし、知り合って仲良くなることで、自分の価値観やルールがいい意味で崩れていて…。自分は幸せになったので、早くギャルを紹介してほしい!(笑い)

◆Clubhouse(クラブハウス)米企業アルファ・エクスプロレーションが開発した、招待制音声SNS。20年4月からサービスを開始。現在、アプリケーションはiPhone版のみ。使用できるのは18歳以上で、登録には本名が必要で、電話番号による本人確認がある。会話はルームで行う。ルームを立ち上げた「モデレーター」の話を聞く「リスナー」は、主体的に会話に参加したければ挙手し、「スピーカー」になれば会話できる。モデレーターもリスナーからスピーカーを指名できる。ラジオのようにトークを聞きつつ、ツイッターのように意見を、しかも音声で発信できることが人気を呼んでいるが、ルーム内での内容を事前許可なしに録音、記録したり口外するのは禁止されている。