歌舞伎役者尾上松也(36)が26日、大阪市内で初主演映画「すくってごらん」(真壁幸紀監督、3月12日公開)の取材会に出席した。

金魚が特産の大和郡山市を舞台にした同名漫画の実写映画化。東京のエリート銀行員が大和郡山市内の支店に左遷され、住民とのふれあいで元気を取り戻し、金魚すくいにのめり込んでいくストーリー。

TBS系ドラマ「半沢直樹」では、下からはい上がってきた若手IT社長を演じたが、「今回は逆に銀行で順調に歩んできた人間だから、立場的には“半沢側”ではなく(市川)猿之助さんがやったヒール的な方かな」と苦笑した。

撮影を前に、金魚すくいの達人から「極意」を教わった。「金魚すくいは取りにいくのではなく『待つこと』。追い掛けたら、絶対にすくえない。ポイ(すくい網)の上にのっかかってくるのを待つこと」。

もう1つ教わった。「ポイが破れても動じない。終わりだと思わない。金魚すくいの概念が変わった。破れてもあきらめない。これは左遷され、敗北者みたいになった主人公にも通じるものがある」と話した。