ZOZO創業者でスタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏(45)が3日朝、ツイッターを更新し、米宇宙ベンチャー「スペースX」と契約し、23年に予定する民間人初となる月周回飛行を計画している宇宙プロジェクト「dearMoon」の同乗者を、世界中から8人、募集すると発表した。

前澤氏は、18年9月17日(現地時間)に最初に計画を明らかにした米ロサンゼルスでの会見、そして同10月9日に都内の日本外国特派員協会で開いた会見で、「dearMoon」は宇宙を舞台にしたアート・プロジェクトであると説明していた。現代アートのコレクターとして知られる自らがホストキュレーターとして、各界を代表する画家、写真家、映画監督、ファッションデザイナーら最大8人の世界的アーティストを招待し、月旅行の中で月と丸い地球を見て受けたインスピレーションをもとに作品を創作するアートプロジェクトだとした。

今回、アーティストと限定せず、広く世界中から同乗者を公募する形に変更したことについて、前澤氏は「何で変わったか? アーティストって一体、誰のことを言っているんだろうと分からなくなりました。歌を歌っていればいいのか、ダンスをしていればいいのか、本を書いていればいいのか…どういう人が一体、アーティストなんだろうっていう風に、ちょっと分かんなくなりまして」と吐露。その上で「もしかしたら世界中で何か、何かしらクリエーティブな活動をしている人を、全てアーティストと言ったって、いいじゃないかって、そんな風に思うようになったんですね」とアーティストに対する考え方が変わったと語った。

ただ、世界中に良い影響を与えたいという、根本的な理念は変わっていない。前澤氏は2年前「月を近くで見る、地球を丸く見るという価値のある体験を、出来る限り多くの皆さまと共有したいと考えた。アーティストを招待し、一緒に月に行き、インスピレーションを得て生み出された作品が皆さまの心を動かし、性別や国境や宗教の違いを超えて、人と人をつなぎ、笑顔にするきっかけを作りたい」と語っていた。

今回は「もっと、もっと世界中の多くの方々にチャンスを与えられるんじゃないかって。自分で『アーティスト』って言っちゃえば大丈夫です」と断言。世界中の人に月旅行のチャンスを与えるという、月周回旅行を通じて出来た作品を見るという間接的な体験ではなく、より直接的な体験のチャンスを世界中に与えたいという考えがうかがえる。