ゲーム好きで知られる本田翼(28)が、いよいよゲームを作ったという。

製作総指揮として関わったスマホ向け対戦ゲーム「にょろっこ」(初夏サービス開始予定、6カ月限定配信)のリリースが発表された。芸能人そのものが題材になったタレントゲームや、ゲーム内キャラクターのモデルとして芸能人が登場する例は数あれど、自分が裏方に徹して作る例は珍しい。発表会見では製作総指揮として自ら報道陣向けにプレゼンし、「一番触れて欲しいのはゲームをしたことのない方」などと熱を込めて語った。

企画が立ち上がったのは19年6月で、本田が日本マイクロソフトからのオファーを受ける形でスタートした。打ち合わせを重ねてもなかなか企画がまとまらず、「もしかしたら頓挫するかと思った」と危機もあったという。停滞する空気の中、本田が提案した構想があまりに具体的だったことから「こんなにやりたいことがあるならこれでいいじゃん、と。その瞬間、製作総指揮・本田翼が誕生した」と開発担当者。結果として、ゲーム内容からキャラクターデザインまでを本田が一手に引き受けることになったという。リリースに2年をかけ「ゼロから自分で発案して始めたので、その分時間がかかりました」と苦労を語った。

良いゲームを作りたい気持ちの一方で収益化も考えなければならず、その板挟みにも悩んだという。本田は「お金の工面は本当に大変で」と苦笑しつつ、「ゲームを作ってくれた皆さんに還元しないといけない。その上で自分の好きなものを作るにはどうしたらいいのかと考え考え。もっとこうしたいと考えるにつれてお金が必要になってきて、その繰り返しでした」と振り返った。ゲーム配信に関わる実業務「パブリッシング」を委託する企業との交渉にも出向いたといい、プロデューサーとしての奮闘が見えた。

取材などで趣味を聞かれた際、数年前まではゲームや漫画が好きなことを公言できなかったという。本田は「(ゲームの趣味について)少し偏った見られ方をしていたし、現在もまだ少し残っていると思う。そんな状況を変えたいと思った。一部の人だけでなくもっと万人に遊んでもらって、ゲームというものを知ってもらいたいという気持ちで作りました」。

「製作総指揮・本田翼」は飾りではなく、ゲームにかける熱量を感じた発表会だった。