宝塚歌劇団の宙組トップ真風涼帆と、新トップ娘役潤花による新コンビが26日、兵庫・宝塚大劇場で、本拠地お披露目「シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-」「デリシュー!-甘美なる巴里-」の初日を迎えた。

潤は、真風の2人目相手娘役に迎えられ、今作が就任後、本拠地初作品となった。

芝居は、19世紀末イギリスの小説家コナン・ドイルが生み出した名探偵シャーロック・ホームズを描いた作品。名探偵にふんした真風は、鋭い洞察力や観察力、推理力を表現。175センチの長身を生かして、ロング丈の衣装を着こなして魅了。華麗にマントを羽織り、客席をわかせた。

潤が務めたのは、アイリーン・アドラー役。表向きはオペラ歌手だが、多くの事件に関わっているアイリーンを、ミステリアスな雰囲気を醸し出して演じた。

ホームズの宿敵ジェームズ・モリアーティ教授は芹香斗亜が演じ、悪役として芝居を盛り上げた。ホームズの同居人ジョン・H・ワトスンは桜木みなと。ホームズを見守る親友を、あたたかい表情で演じた。

G・レストレード警部は和希そらが演じ、ホームズに協力を依頼するシーンでは、シリアスな演技でロンドンで起きる犯罪の深刻さを表現した。

ショーは「スイーツ」をテーマにした豪華なパリ・レビュー。キャンディーやケーキ、マカロンなどさまざまなシーンを衣装やダンス、歌で表現した。「王妃のお茶会」の場面では、芹香がマリー・アントワネットを熱演している。

宙組新体制で初の本拠地作。新コンビの船出作は、コロナ禍での出演者削減もなく、宙組全員で臨む。

真風は開幕前のインタビューで「みんなのパワー、エネルギー、一緒に公演できる喜びをかみしめています。(芝居をする)人が違えば、そこには必然的に違う物が生まれる。1作1作向き合っていければ」と話していた通り、初日へ向けて仕上げてきた。

相手娘役が星風まどかから、潤に代わり「自分自身が勉強させてもらえるというか。課題、挑戦…新鮮に感じる部分も。初心にかえるといったら、大げさですけど、勉強になることも」などと言い、新たな1歩を踏み出した。

宝塚大劇場は8月2日まで。東京宝塚劇場は8月21~9月26日の予定。