3度の共演を経て結婚した菅田将暉(28)と小松菜奈(25)だが、今後は共演の機会は少なくなるのではないかと思う。

夫婦役や恋人役となれば、観る方はどうしても私生活を重ねてしまうだろうし、本人たちもやりにくいのかもしれない。

仏映画「アレックス」が20年ぶりに再編集版として公開されるのを機に、先日、ギャスパー・ノエ監督を取材する機会があった。

「夫婦が映画の中でラブシーンを演じると、どうしてもわざとらしい感じになってしまう。夫婦役や恋人役じゃない場合でも、観客はそういう目で見てしまうしね。だから、夫婦共演は少なくなる。この映画の、モニカ・ベルッチとバンサン・カッセルが自然に感情移入していたのは例外中の例外だね」

鬼才と呼ばれるこの人も夫婦共演は「難題」と認めた。日本でも、まるでトーク番組の延長のように夫婦共演をこなしていたのは、勝新太郎・中村玉緒夫妻くらいで、照れが先に立つ人の方が多いのではないかと思う。

極端な例もある。「ミスター&ミセス スミス」(05年)の共演をきっかけに結婚したブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは10年ぶりに共演した「白い帽子の女」の直後に離婚してしまった。

それまでに積み重なったものがあったのだろうが、ピリピリした撮影現場でのやりとりがダメ押しになったことは想像に難くない。

一方で、しれっと共演を続けるペネルペ・クルスとハビエル・バルテルのような夫婦もいるし、勝さんの最後の舞台は夫婦共演の「夫婦善哉」だった。互いに「同志」と認める菅田・小松夫妻は今後、仕事面でどんなタッグをみせてくれるのだろうか。