秋山ゆずき(28)が3日、東京・シネマカリテで行われた映画「成れの果て」の初日舞台あいさつで、宮岡太郎監督から「声が、すごくかんに障る人が良いなと」とキャスティング理由を明かされ、苦笑した。

一方で、劇中では落ち込む人々をよそに突っ走り、物語を引っかき回す役どころながら「私も人間なので…引っ張られて一緒に沈まないように」と心を強く保っていたと強調した。

「成れの果て」は、3年ぶりの映画主演となった萩原みのり(24)演じる東京でファッションデザイナーの卵として暮らす小夜が、地元に暮らす姉のあすみ(柊瑠美)から電話で結婚を報告されたものの、相手が8年前に自らの身に降りかかった事件に関係していた布施野(木口健太)だと知る。いてもたってもいられず、友人のエイゴ(後藤剛範)を連れて故郷へ戻った小夜の突然の帰郷から、質素ながらも平穏だったあすみの暮らしが、小夜を中心に回り出す物語。秋山は小夜、あすみ、布施野らが過去の事件のことでわだかまりがあり、深く沈んでいく中“大福娘”として、奔放に振る舞う今井絵里を演じた。

秋山は、宮岡監督が出演作「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)や「COMPLY+-ANCE コンプライアンス」(齊藤工監督)を見て「声が、すごくかんに障る。この人(声が)耳に残るなと。魅力的な声に、ほだされた」ことで起用を決めたと語るのを聞き、苦笑した。その上で「素晴らしいお芝居をしてくれた」と評価の言葉を聞くと、笑みを浮かべ「『かんに障るように、場をかき乱して欲しい』と言われた。(登場人物たちの沈んだ空気の中に)入り込むんじゃなく、訪れた台風のつもりでやったので、楽しかった」と撮影を振り返った。

その上で「現場で、私だけワーッとなって周りは(気持ちが)落ちていく。私も人間なので…引っ張られて一緒に沈まないよう、大福娘として、その場にいた」と振り返った。劇中では、豆などをぶつけられる場面もあり「秋山ゆずきとしては(苦楽落ち込んだ空気に)引っ張られそうだけど、監督はGO GO GOと…」と笑みを浮かべた。