吉本興業が手掛け、広井王子氏(67)が総合演出を務める「少女歌劇団ミモザーヌ」が28日から冬公演「Winter Story~きくたまこと卒団公演~」を行う。メンバーは12歳~19歳の少女で構成し、20歳で卒団する。最年長で初の卒団を迎える1期生の、きくたまこと、同じく1期生の、もうりさくら(17)、2期生の、しものあやめ(13)が取材に応じ、公演への意気込みや卒団への思いを語った。

結成から約3年。初の卒団となるきくたは「このメンバーと一緒の舞台に立てるのは最後なので、すごく寂しいです。でも、ここが終わりでもあり、スタートラインでもあるので。新たな自分を応援していただけるように、区切りとして頑張りたい」と意気込んだ。

きくたはミモザーヌ加入前から役者として活動し、チームでは団長として24人のメンバーを引っ張ってきた。根底にあるのは幼い頃に見た先輩たちの姿。「小さい時に年上の方に人に対しての感謝とか、いろいろと教えてもらいました。次は私が下の子たちにも伝えていって、またその子たちが伝えて、というサイクルができたらすてきだなと思って、思い出しながらやっていました」。

周囲もそのリーダーシップは認めており、もうりは「まこっちゃん(きくた)は普段は優しいけど、舞台ではキリッとしてかっこいい。切り替えが上手。周りの状況を見るのもうまくて、正直、卒団してしまうのはすごく悲しい」と語り、しものも「みんなをまとめたり、本当のお姉ちゃんというか、お母さんみたいな存在でした」と話した。

ミモザーヌは昨年11月に本格始動し、8月に初めて有観客で夏公演を開催。今回が3度目となる。それぞれの楽曲ごとに世界観の異なった夏公演とは違い、今回は全楽曲がひとつにつながるストーリー仕立て。きくたは「夏公演では客席にいるみなさんの笑顔を見ることができて、自分たちも頑張ろうと力をもらえました。今回はまた夏とは違った雰囲気を味わえると思います。私たち1人1人も新しい一面をみせようとしているので、そこにも注目してほしいです」とアピールした。

夏公演後は体幹トレーニングなどの体力づくりから見直し、ダンスなども強化。もうりは「またひとつレベルアップした私たちを見てほしいです。そして、みんなでまこっちゃんを送り出す、すごく気持ちのこもった舞台になると思います」と話した。

22年1月22日まで4期生も募集中だ。しものは「私よりも年下が入ってくるかもしれないですし、しっかりしないといけない」と話し、もうりも「今度は私たちの世代がまこっちゃんがやっていたように、礼儀とかも教えてあげないといけない。責任感や緊張感もありますが、入ってくる子たちと一緒に楽しみながらやっていきたいです」と新たな仲間の加入を心待ちにしていた。

きくたは卒団後も芸能活動を続け、女優、タレントとして活動予定だ。「歌劇団にプラスになるものを与えられるように頑張ろうという思いはありますね」と語り「忘れられないように頑張ります」と力を込めた。

冬公演は28日に大阪・堺市立東文化会館、22年1月9日に東京・草月ホールでどちらも1日2公演ずつ行う。【松尾幸之介】

 

◆少女歌劇団ミモザーヌ 広井王子氏が総合演出を手掛けるレビューカンパニー。「清く。明るく。麗しく。」をテーマとしており、メンバーは11歳以上で20歳を迎えると卒業となる。18年に1期生のオーディションが行われて、応募総数736人から14人が選ばれた。現在は3期生まで24人が所属。20年12月30日に配信で旗揚げ公演を開催した。グループ名は花の「ミモザ」に由来し、ミモザの花言葉は「友情」「優雅」とも言われている。