NHK前田晃伸会長の定例会見が13日、東京・渋谷の同局で行われ、昨年の大みそかに放送された「第72回紅白歌合戦」を総括した。

昨年の紅白は、東京・渋谷のNHKホールが改修工事中のため東京国際フォーラムで開催。2年ぶりの有観客で行われた。「紅」と「白」に分けていた司会の呼称を統一するなど新たな試みもあり、前田会長は「2年ぶりにお客さんをお迎えできたし、『カラフル』というテーマで少し違った感触でいろんなことをやらせていただいた。常に見直しながら現代の形に合わせていきたいということ」と話した。新型コロナの感染が落ち着いた段階での開催となり「うまくいってよかったなと思っている」と振り返った。

一方で、平均世帯視聴率は関東地区で34・3%で、紅白史上最低を記録。これについては、録画視聴や「NHKプラス」の見逃し配信などを念頭に「いろんな媒体で見られているので、単純に視聴率だけではないと思っている。見る手段が多様化しているのも事実。そのあたりをよく調査して、しっかりお応えしていく」。紅白の魅力については「作り上げたドラマとは全く違う形で、生の良さがある。良さをしっかり伝える番組作りをしていかないといけない。何が起こるか分からないし、ハプニングもある。テレビの持つ強みだと思うので、これを生かし切る工夫もいるのでは」と語った。