子ども向け歴史学習漫画を数多く手掛けたことでも知られる漫画家のムロタニ・ツネ象さん(本名、室谷常蔵)が亡くなったことが25日、分かった。87歳だった。

漫画家・権利者・出版社の方々の許諾、好意によって「往年の懐かしいマンガ」や「惜しくも単行本化されなかったマンガ」「新しく生み出されたマンガ」などが、全巻いつでも無料で読める、電子書籍サイト「マンガ図書館Z」が、「漫画家 ムロタニ・ツネ象先生のご逝去につきまして」として訃報を伝えた。

同サイトは「戦後まもなくの1950年代以来、ギャグマンガ・ホラーマンガ・学習マンガと多彩な活躍をされた漫画家ムロタニ・ツネ象先生が、去る2021年11月22日に87歳で逝去されましたことをお知らせいたします。近年はご自宅で静養しておられ、ご家族に見守られて静かに旅立たれたとのことです」と報告した。

「ご遺志により葬儀は行われず、ご献花・ご香典の類も辞退申し上げたいとのご意向をご家族より承っております」としている。

マンガ図書館Zは「ムロタニ先生の作品は、雑誌連載作品の単行本化が一般的でなかった時代のものが多く、紙の書籍で読むことは困難となっております。そのためマンガ図書館Zでは、先生のご許諾を得て、現在11タイトルを公開させていただいております」とも紹介。

「お手元には貴重な作品原画が他にも多数遺されており、その整理・保全や、展示・復刻などの利活用について、文化庁事業『マンガ原画アーカイブセンター』の支援を受けて着手しつつあった矢先でした。今後も引き続き、ご家族と共に、ムロタニ先生の業績の顕彰や原画の恒久保存に取り組んで参ります」としている。

その上で「ムロタニ・ツネ象先生が日本のマンガ史上に残された偉大なご足跡と、私どものお願いやご相談に気さくに応じてくださった穏やかで優しいお人柄を偲び、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」とコメントした。