モデルの嵐莉菜(17)が主演を務め、俳優奥平大兼(18)が共演する映画「マイスモールランド」(川和田恵真監督)が、開催中の第72回ベルリン国際映画祭にて「アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンション(特別表彰)」を授与された。

同賞は映画祭で上映された作品の中から人権問題をテーマにした作品に対して授与されるもの。05年から続く同賞で日本作品が栄誉を受けるのは初めてという。

本作は是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」の新人監督である川和田恵真監督の商業映画デビュー作。在日クルド人の少女が、在留資格を失ったことをきっかけに“自分の居場所”に葛藤し、成長していく姿を描く。5カ国のルーツを持ち、モデルやタレントとしても活躍する嵐が主人公の在日クルド人の高校生(サーリャ)を演じ、サーリャが心を開く少年(聡太)を奥平が演じた。

同映画賞は公式発表で「私たちは今回の栄誉ある授与について『マイスモールランド』は、世界中で起こりうる出来事を、力強く語った映画作品だと思いました。難民への非人道的な扱いを批判しながら普遍的テーマを描いています。作品から学ぶことが多く、ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います」と審査員らのコメントを掲載した。

川和田監督は「世界中の人々の人権のために活動されているアムネスティインターナショナルより『マイスモールランド』の普遍性や力強さを評価いただけたこと、大変うれしく思います。国籍を問わずより多くの人々に、この作品が届くきっかけになることを願っています」と喜びのコメントを発表した。

嵐と奥平もコメントを発表。嵐は「初めて主演を務めさせていただいた作品で、この大好きなチームで作り上げた作品を評価いただけたこと、本当に本当に光栄です!!人種や民族に関する問題は、形を変え、世界中どこでも起こっていると思います。この映画を観て何か関心を持つきっかけになってもらえたらうれしいです」とつづった。

奥平も「日本に住むクルド人の方々について、僕は演者としてこの映画に関わらせて頂いて、初めてしっかりと考えることができました。そして映画として作品にするのはとても難しいことだと感じていました。それがこのようにベルリン映画祭の舞台で評価していただけてとてもうれしいですし、これが、より多くの方々に見ていただけるときっかけになれば良いなと思います。」と喜んだ。

同映画は5月6日に全国公開される。