お笑いコンビ、ホンジャマカの恵俊彰(57)が今春、早大大学院のスポーツ科学研究科に入学した。4月1日に行われた入学式後に、恵に話を聞いた。

研究テーマは「情報番組におけるスポーツの伝え方とその変化」だという。TBS系「ひるおび!」(月~金曜午前10時25分)でMCを務める恵らしいテーマだ。「スポーツ番組とは違う、結果以外のものを情報番組でどう伝えるのかに役立つかと思った」とその理由を明かした。

「ひるおび!」でコメンテーターを務める青学大・原晋監督のススメで同大学院への進学を決意したという。「早速データもとってみたんですけど、09年からの10年間で、だいたい25%くらいスポーツを放送している。その伝える背景にどんなことがあるんだろうと。例えば大坂なおみさんがどんなマスクをしているだろうとか、勝ち負けじゃなくて、世の中の出来事の背景になることを同時に伝える。そういうことの方がニュースになるんだなと。情報番組っていろんなことを伝える。芸能も政治も伝える。そこに並んで(スポーツも)伝えることになる。絶対的にW杯やWBC、オリンピックはわかりやすく伝える。もちろんサッカー、ラグビー、大谷(翔平)さん、今なら新庄(剛志)さんとか指導方法かなとか。でも新庄さんの勝ち負け伝えるよりは、指導法とか、武井壮を呼んでやっているとか、そういうことの方が、スポーツを通して日常生活にいかせる。指導者と生徒の会話とかが上司との会話のヒントになるのかなとか。情報番組ならではの角度での伝え方ってきっとあるのではないかなって」と続けた。

恵は3浪の末、大学進学せず、ホンジャマカを結成して芸能界に飛び込んだ。「高校時代の落とし物、忘れ物、といいますか、せっかくだから挑戦してみようかなっていうのがあった。ただ高卒なので、大学院というのはその(大学の)上じゃないですか。だから大学院を受ける資格があるかどうかのテストから始まった。課題をいただいて、論文みたいなものを書いて、刊行誌があって、そこに掲載されるかどうかのテストみたいなのがあって、そこで頑張って書いて採用されたので、じゃあ大学院試験受けていいですよっていうことになって。やっと受けられた」と進学過程を説明してくれた。

「願書出して、去年の10月に試験を受けた。面接とまた何か書くものがあって、だんだんだんだん自分が受けるんだ、受験票だ、どんな格好でいくんだってワクワクしましたね」と生き生きと語った。「スポーツが好きなので」とは断っていたものの、芸能界である程度の地位を確立した還暦手前の多忙な司会者が、仕事に生かすために研究に身をささげる姿勢には非常に感銘を受けた。【佐藤成】