映画「護られなかった者たちへ」が、イタリア・ローマで開催された「Asian Film Festival」のコンペティション部門で上映され、女優清原果耶(20)が最優秀女優賞を受賞した。自身初の、海外映画祭での受賞となった。

清原は昨年の「第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」で、初の10代かつ史上最年少で助演女優賞を受賞した。その際にインタビューしたが、あたたかくて優しい笑顔、そして謙虚さを今でも鮮明に覚えている。今回の受賞を受け、清原はコメントを発表。「Asian Film Festivalの皆様、ありがとうございました」。一言目に主催社に感謝を述べる、このコメントが清原らしいと感じた。

多数の映画出演に加え、21年のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でもヒロインを務めた若きホープ。休む間もなく、今年1月期にはTBS系「ファイトソング」で民放ドラマ初主演を果たした。しかしどんなに活躍しても、どこまでも腰が低く、謙虚だ。

19年には「日刊スポーツ-」で新人賞を受賞。助演女優賞受賞までの2年間で成長した点を聞いたが「自分で自分のことを成長したなと思う瞬間なんて、本当になくて。『いろんなものを吸収できていたらいいなー』っていう、希望しか自分の中には残っていないというか。なんか成長できていたらいいんですけどね」と答えた。驚きしかなかった。

今年の1月に20歳を迎えた、将来が非常に楽しみな存在だ。二十歳になるにあたって、楽しみにしていることを聞いたが「多分あんまりないんですけど、二十歳になるとお酒が飲めるようになったり、そういうのをちょこっとたしなんだりしたいですね。あとは家族と温泉旅行とかに行きたいなーって思います」と話した。

多忙を極めた昨年1年を「時間において行かれないように、必死に走り続けていた1年」と表した。その上で、自分に与えたい賞を問うと「プライベートの自分だったり、現場での自分を全部まぜこぜで生きてきてしまったので。なんかそれを1回フラットにしたいかもしれないという意味もこめて、シンプルに『頑張ったで賞』をあげたいです」と笑った。

現在、つかの間の休息が取れているか分からないが、”充電”して、また視聴者をワクワクさせるような演技を見せてくれることを楽しみにしている。【佐藤勝亮】