磯村勇斗(29)が20日、フランスで開催中の世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭に初参加した。

ある視点部門に出品された「PLAN 75」(早川千絵監督、6月17日公開)に出演している磯村は、フィリピンのモデル・ステファニー・アリアンと早川監督とともに、フォトコールと公式上映に出席。海外の映画祭への参加も初めてで、2泊4日の弾丸スケジュールで渡航しており「一生で必ず参加したい、行きたかった映画祭がカンヌだったので感無量!」と感激した。

「PLAN 75」は、韓国映画「ベイビー・ブローカー」がコンペティション部門に出品された、是枝裕和監督(59)が初めて総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の1篇「PLAN 75」を、早川千絵監督が新たに構築、キャストを一新した、オリジナル脚本による自身初の長編映画で、超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄(ほんろう)される人々の姿を描いた。

倍賞千恵子(80)が9年ぶりに主演。1961年(昭36)に映画「斑女」でデビューして以来、主演映画がカンヌ映画祭に出品されるのは初めて。劇中で倍賞はミチ、磯村は市役所の<プラン 75>の申請窓口で働く岡部ヒロムを演じた。

日本人監督の作品が「ある視点」部門に出品されるのは、17年の黒沢清監督「散歩する侵略者」以来5年ぶり。日本人女性監督としては、15年に「あん」がオープニング作品に選ばれた河瀬直美監督以来2人目。近年の受賞は、黒沢監督が15年「岸辺の旅」で監督賞、16年には深田晃司監督が「淵に立つ」で審査員賞を、それぞれ受賞している。