舞台「千と千尋の神隠し」が4日、名古屋・御園座で大千秋楽を迎え、全102回の公演に幕を閉じた。特別カーテンコールでは、この日のステージが裏方まで舞台に立つ総力戦のスペシャルバージョンで行われたことが明かされた。

大千秋楽を務めるはずだった千尋役の上白石萌音(24)、湯婆婆役の朴■美(50)が新型コロナ感染により無念の休演となり、それぞれダブルキャストの橋本環奈(23)、夏木マリ(70)が代演を務めた。

また、休演したアンサンブルキャスト3人が行うさまざまな役どころを、この日は出演回ではなかったカオナシ役の菅原小春(30)や、ほかのアンサンブルキャスト、演出助手のスタッフなどが担当し、舞台に立った。カーテンコールでは、演出のジョン・ケアード氏に促され、2人の演出助手が役衣装のまま一瞬あいさつに登場する一幕もあった。

御園座公演は、計17回のうち12回が中止になっている。一同、大千秋楽を目指し、1日からこの日まで4日間、けいこを行ったという。

スペシャルバージョンを無事に終えた橋本は、「今回の公演はすごくレアで、みんな102回の公演ではやったことがない役をたくさん担っていました。なのに本当にすごい完璧で、私が千尋として走り回っていても、気にならないくらいみんな完璧に仕上げてきていて、本当にかっこいいなと思いました」とあいさつした。

夏木も「皆さまに見ていただけない日々はけいこをしておりました。きょうはいわばスペシャルバージョンですね」と涙。「ジョンは『キャストを替えてやるなんてクレイジーだ』と言っていましたが、クレイジーなことをこの4日間、みんなすごい体力と気力でやっていた。不可能なことを可能にして、このメンバーが神様に見えた」とたたえた。

特別カーテンコールでは、上白石が音声メッセージで“出演”するサプライズもあった。

「今すぐそこに行きたくてたまりません」「いつでも最高の相棒でいてくれた環奈ちゃんに心から感謝しています」という涙声に、橋本も号泣。橋本が感染した博多座公演では上白石が代演を務めており、2月の東京・帝国劇場から102公演を支え合って演じてきた。橋本は「けいこ初日から萌音ちゃんには本当に助けてもらってばっかりだった。最後の最後まで助けてもらいました」と泣きながら話した。

作品は、2月28日のプレビュー公演(帝国劇場)で幕を開け、東京公演40回と、4月の大阪公演16回は中止することなく完走。5月の博多座は橋本ら出演者の感染で37回のうち6回が中止となった。6月の札幌公演10回は完走したものの、6、7月の名古屋公演は17回のうち12回が中止となっている。

■は王ヘンに路