女性ボーカルグループ、Little Glee Monster(リトグリ)が24日、千葉・幕張メッセで、全国ツアー「Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey」のファイナル公演を行い、4月からのツアーを完走した。この日の千秋楽をもって、体調不良で休養中の芹奈(24)manaka(21)がそれぞれ卒業した。

1月から休養中だった芹奈に加え、ツアー直前の3月にmanakaが休養を発表。アカペラなど、細かい歌割りがあるグループにとって、3人でのツアーは挑戦ともいえたが、強い決意をもって駆け抜けた。メドレーを含む全19曲を披露。6000人の観客を魅了した。

セットリストの1曲目は「Jupiter」。ステージにスポットライトが5本差し、左からかれん(24)、MAYU(22)、芹奈とmanakaのスペースを空けて、アサヒ(23)と並んだ。背後のスクリーンが5分割され、卒業メンバーの過去の歌唱映像を合わせて5人で歌っているような粋な演出でスタート。

アサヒは「芹奈とmanakaの卒業の発表があって、すごくみんなも驚かれたと思いますし、まだまだ気持ちの整理がつかないまま、今日を迎えた方もたくさんいらっしゃると思います」とファンの心境を推し量りつつ「そんな中でも、5人とファンのみんなで作りあげたものにうそは1つもないし、全部全部が私たち5人の宝物です」。

MAYUは「私たちもすぐには受け入れることができなくて、本当に『どうして?』って思ったし、今日もこのステージに5人で立ちたかったです。2人にも立ってほしかったです」と率直な思いを明かした。しかし「2人には2人の気持ちだってあるし、私たちはグループでありながらひとりひとりの人生で。芹奈とmanakaの決断を私たちは否定することはできないし、かけがえのない存在だからこそ2人の考えを受け入れるべきだと、自分たち3人でも話し合って、そして私たちはひとりひとりがLittle Glee Monsterを続けていきたいという思いが一致した」と卒業する2人の決断を尊重した。

さらに「みなさんに笑顔になってもらえる音楽を届けていきたいし、これからそれぞれの道が始まるけど、でも、5人のリトグリ、これまでリトグリ、みなさんが愛してくれた9年間のリトグリの存在が消えるわけでは決していないし、私たち5人と1人1人の思いでは大切にして欲しいし、私たちもその思い出、歴史を大切に、強さに新しい道に進みたい」と力強く宣言した。

かれんは、ともにステージに立った2人に涙ながら感謝。さらに「どんなことがあってもどんな形になってもリトグリとして歌い続けたい。これからもハーモニーだったりアカペラを続けていきたい」。

manakaと芹奈の卒業を受けて、グループでは新メンバーのオーディションを行う。「リトグリの可能性を広めるためにも新しい仲間が必要です。たくさんのいろんな才能をもった方がオーディションに集まってくれるとうれしいと思います。リトグリの明るい未来を信じて期待していてください」と呼びかけた。

エンディングでは、卒業する2人からの直筆メッセージがスクリーンに映し出された。芹奈は「強くしてくれてありがとう。私に青春を、ありがとう。楽しかった。今までありがとう!!!!!! 大好きでした。行ってきます!!!!」。manakaは「これから進む道がかわってもここまでみんなと歩んだ時間は私にとってずっと宝物です。前に進む3人と新しいメンバーと共により最強になるリトグリ皆さんと一緒にこれからは私も全力で応援したいです」などと伝えた。1つの区切りを迎えたリトグリ。ここから新たな旅が始まる。【佐藤成】

◆Little Glee Monster 13年5月「世界に通用するボーカルグループ」を目指して結成。14年「放課後ハイファイブ」でメジャーデビュー。17年日本武道館公演。同年の「いつかこの涙が」は全国高校サッカー選手権大会の応援ソング。19年の「ECHO」が「NHKラグビーテーマソング」となり日本レコード大賞優秀作品賞。17~20年、4年連続で「NHK紅白歌合戦」出場。