3年ぶり3度目の来日を果たしたイタリアの3人組男性オペラユニット、イル・ヴォーロが、8日に東京・国際フォーラムで「イル・ヴォーロ ジャパンツアー 2022」東京公演を行う。10日には大阪、12日には初めて名古屋で公演を行う。その歌声とルックスで、全世界を熱狂させるジャンルカ・ジノーブレ(27)、イニャツィオ・ボスケット(27)、ピエロ・バローネ(29)に現在の心境を聞いてみた。

 

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-2年連続で公演が流れたが、ついに3年目で日本公演が可能になった。

ジャンルカ なんか、すごく自分たちが日本のみんなから愛されてるっていうのを感じました。さっき新幹線から降りたら、駅の出口で待っていてくれている人たちがいたんですよね。なんか、やっぱりうれしかったですね。そうやって、ファンの人たちが忘れないでいてくれたことが

イニャツィオ 今現在、音楽もいろいろなジャンルがあると思います。だけど、このジャンルの音楽、このクラシックでは、僕たち3人しか、世界中を回って活動している人はいないんじゃないかと思っています、多分ですが

ピエロ 僕たちは子供の頃から、みんなそれぞれのおじいさんとかがすごく好きで、おじいさんと一緒に歌いながら過ごしてきました。それが、たまたま偶然なんですが、09年にそれぞれが1人でコンテストに出て知り合った。本当そういう偶然の出会いもあって、一緒にこういう歌を歌っていくということになったんです

-今回の来日では、KBS京都の生番組「きらきん!」に出演。MCの夫婦漫才コンビ、かつみ・さゆりと共演した。3歳からピアノを習い、大阪音楽短大に通ったさゆりとは、一緒に歌う場面もあった。「ボヨヨ~ン」のネタと美脚で人気のさゆりの年齢が53歳と知ると驚きを口にした。

ジャンルカ&イニャツィオ&ピエロ 20代かと思ってた!(笑い)

-日本の“美魔女”を知り、さらに次を目指している。

イニャツイオ 今回は京都の清水寺、世界遺産のところでライブができた。次は二条城とか、そういうところで、またやらせてもらえたらいいなと思う。僕たちは、すごく日本が好きだから、毎年来てみたいし、もっといろいろな街でコンサートができたらいいなと思ってるんです

-日本だけではない。世界各地で、その歌声を響かせている。

ピエロ 9月には、アメリカからカナダを回って、そしてオーストラリアに行きます。6月から100回のコンサートというプロジェクトで世界を回っているんです

-忙しいスケジュールで旅を続ける中でも、プライベートを充実させている。

イニャツイオ 今回の来日では、最初は時差ボケがひどかった。でも昨日、やっと時間ができたので、京都で伏見稲荷と金閣寺に行きました。あと、東京だったらどこに行ったらいいですかね。浅草には行ったから、魚市場に行ってみたいですね

-今年6月にはLittle Glee Monster(リトルグリーモンスター)とコラボした「グランデ・アモーレ」を配信した。2017年に発売して、MVの再生回数2億万回超のヒット曲をイタリア語ではなく英語で歌った。

イニャツイオ いろいろなオファーがあったんです。その中でやっぱり一番、自分たちに合ってる人たちは誰だろうっていうことで決めて、Little Glee Monsterになりました。結果的には、すごく合っていて良かったと思いました。それぞれで録音したものをミックスしたので、実際に会ってはいないんです。だから今回、日本で会えるかなと思ったら、あちらもツアーなんです。それは、ちょっと残念でした

-長く待った時間の分だけ、期待も喜びも大きくなっている。

ピエロ 自分たちは、日本に来られて幸せです。私たちはもちろん、オーケストラも全員もちゃんと準備ができています。ぜひ、僕たちの歌声を聞いてください 【取材・構成=小谷野俊哉】(終わり)

 

◆イル・ヴォーロ ジャンルカ・ジノーブレは1995年2月11日、イタリア・アブルッツォ生まれ。イニャツィオ・ボスケットは94年10月4日、イタリア・ボローニャ生まれ。ピエロ・バローネは93年6月24日、イタリア・シチリア生まれ。09年、イタリアのオーディション番組で知り合い、“新世代の「世界3大テノール」”を目指して結成。10年、世界デビュー。14年、ラテン・グラミー賞でベスト新人アーティスト賞とラテン・ポップ・アルバム賞。15年、サンレモ音楽祭優勝。サードアルバム「グランデ・アモーレ」リリース。16年、フィギュアスケート羽生結弦がエキシビションで「ノッテ・ステラータ」を使用。17年、初来日。19年、2度目の来日。