米映画「コーダあいのうた」(2021年)で今年のアカデミー賞助演男優賞を受賞したろう者俳優のトロイ・コッツァー(54)が13日、オスカー像が盗まれ、その後無事に返還されていたことが分かった。

男性ろう者として初めてオスカーを受賞したコッツァーは先週、生まれ故郷のアリゾナ州メサで行われた受賞を表彰する式典に出席するためオスカー像とともにジープで現地入りした際に、オスカー像を含む荷物を載せたままジープが盗まれる被害に遭ったとNBCなどが伝えた。

通報を受けた警察が捜査を開始し、その日の夜にジープを発見したという。警察によると、車に乗っていた10代の少年2人が窃盗の容疑を認めたことから逮捕され、車内からは無傷でオスカー像も見つかり、無事にコッツァーの手元に戻ったという。コッツァーは現在は削除されているが、ツイッターに「小さな子供がジープを盗んだ」と投稿し、車を発見した警察官との記念写真とともに感謝の意をつづっていた。

オスカーを受賞して一躍脚光を浴びたコッツァーの次回作は、ディズニー+で配信されるカリフォルニア州にある特別支援学校のフットボールチームを題材にした実話で、フットボールコーチを演じることが決まっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)