落語家三遊亭円楽さんが72歳で亡くなって一夜明けた1日、法名は「泰通圓生上座(たいつうえんしょうじょうざ)」であることが分かった。本名の泰通と、襲名を願っていた円生が入っている。この日、円楽さんが16年に得度(出家のための儀式)を行った前橋市の釈迦(しゃか)尊寺の住職、山崎奎一さん(79)が、都内にある円楽さんの自宅を弔問し明かした。

先代圓楽さんとの交流があった縁で、山崎さんと円楽さんは親交を深めた。円楽さんは同寺に墓を購入し、義理の両親の墓も建て、得度も行った。47年に及ぶ付き合いで、2人で落語会やゴルフ大会も企画、実行した。弔問前「さみしすぎて涙も出ない」と言っていた山崎さんだが「(家に)入った途端、何でこんな早く逝くんだって、涙が出てきちゃった」と話した。

最後に会ったのは昨年末だったが、電話ではたびたび話ができた。数カ月前には、和服の袖なし羽織をあつらえて送ってくれたという。山崎さんは「まめで気が利いて、気遣いの人でした。博学で勉強家、人徳もあった」と振り返り、「三遊亭円楽の名前を一層華やかにした。円生を継ぐのは師匠以外にいなかったと言う人もいました」と惜しんだ。

近く近親者のみで執り行われる葬儀でも、山崎さんが読経する。