サザンオールスターズ桑田佳祐(66)がレギュラー番組のTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(土曜午後11時)の1日放送で、長らく敬愛してきてこの日79歳で亡くなったプロレスラー、アントニオ猪木さんを「私にとって永遠のスーパースター」と追悼した。

桑田は番組オープニングを「長らく音楽の道を歩んできた私ですが、影響を受けたモノは音楽だけにあらず。とりわけ、昭和のプロレスに心を奪われ、そのど真ん中にいたのが、アントニオ猪木さんでした」と、猪木さんの話題でスタート。猪木さんのテーマ「炎のファイター」をバックに「土曜の夜の『燃える闘魂』、桑田“猪木さんがいたから元気になれた”佳祐でございます」とあいさつした。

続けて「今朝、驚きました。アントニオ猪木さん、ご逝去なさいました。79歳でね。長い間、生きざまだけじゃなくて、お亡くなりになる手前、死にざままで、すばらしいメッセージをたくさんいただきまして、私にとって永遠のスーパースターでございます。ご冥福をお祈り致します」と追悼した。

桑田は番組前半の時間を割いて、猪木さんトークを継続。「こよいの三日月がですよ、あの人のお顔に見えてしまいました。アントニオ猪木さんが長い闘病の末にお亡くなりました。残念です」と話しだすと、「サザンオールスターズも大変あの方には、お世話になりまして、せんえつながら、猪木さんに関しては、私は親兄弟失ったような…せんえつながら、ずうずうしいですけど、親兄弟失ったような感覚でございまして。私の青春もこれで終わったような気が致します。猪木さん長い間、ありがとうございました」と感謝した。「もう私も66歳ですけど、猪木さん79歳。多くの私の世代の方々と同じく、ビートルズと、例えばクリント・イーストウッド、そしてアントニオ猪木に憧れて生きてまいりました」と続け、「本当にまだね、心が整理できないんですけど、気持ちが。こんな日がくるなんてね」と喪失感も告白した。

猪木さんが難病「全身性アミロイドーシス」と闘病する晩年を公開した様子も動画で見ていたとし、「なんか、猪木さんがいない世の中なんて、やっぱりちょっと信じられないな、って思うんですけど。猪木さんというのは強い。強いんだけど、弱いところとか、みっともないところがある。スキャンダラスなところもありながら、そういう猪木さんの人間的な器の大きさとか、色気とか、私大好きでした」と回想。「今回は最後の最後まで、自分の衰えた姿を見せていただいた。いつもながらすばらしい、闘魂メッセージをいただきました」と振り返った。

桑田は「今でも昭和のプロレス男子やっているんです」と、いちプロレスファンとして、猪木さんの生きざまをあらためて説明。プロレスの強さと可能性を追求し続けた生涯について「猪木イズム、闘魂イズム。やってみなきゃ人生わからないよ、っていうね。モハメド・アリ、リングにあげてね。だから、変態なんだよね。変態なの。それが好きなんだよね。発想がスタンダードじゃないんだよね」と、スケールの大きさを感慨深げに振り返った。

最後は「猪木さん、月並みですけど、長い間、たくさんの夢、ありがとうございました。どうか安らかにお眠りいただきたいと思います。初めてお会いしたのは(TBS系歌番組)『ザ・ベストテン』で、82年に猪木さんが現れた時のあの感動。『猪木さん、コブラツイストかけてください』って私、バカだから。あの腕っぷしの、万力のような強さ、私いまだに忘れられません。猪木さんありがとう。ダー!」と絶叫。猪木の必殺技を歌詞にこめたソロ楽曲「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」をオンエアし「猪木さん、ダァー」と繰り返した。

プロレスファンを公言する桑田は、特に猪木さんには並々ならぬ敬愛を示してきており、ライブでも猪木さんの「1、2、3、ダァー」を恒例とするなど、深い愛情を示してきた。