米電気自動車メーカー大手テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏(51)が、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、ロシアのプーチン大統領と直接会話したとのうわさを否定した。

マスク氏は、自身のツイッターでフォロワーからの質問に答える形でプーチン大統領と昨年、ビデオ会談したと明かしたことで、ウクライナを巡って話をした可能性が取り沙汰されていた。

マスク氏はプーチン大統領との会話の時期や内容は明かしていなかったが、地政学的リスクに関するコンサルティング会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長が、米CNNのインタビューで「マスク氏から最近プーチン大統領と直接会話したと聞いた」と発言。これを受けてマスク氏は、「会話をしたのは1度だけで、1年半ほど前のこと。話題は宇宙についてだった」と自身のツイッターで報道を否定した。

ブレマー氏はその後、自身のツイッターで「イーロン・マスクは私にプーチン大統領やロシア政府と直接、ウクライナについて話したと言っていた。ロシア側にとって越えてはいけない一線とは何かという話もした」と投稿して反論。今度はマスク氏が、「イアン・ブレマーを信じるべきではない」と応戦し、ウクライナについて議論したか否かを巡ってバトルを繰り広げている。

ロシア政府は13日、マスク氏とプーチン大統領とのビデオ会談について認めたものの、マスク氏同様に1年半前のことだと説明し、それ以上の詳細についてのコメントは差し控えたと米ニューズウィーク誌が伝えている。

マスク氏は今月初めにツイッターに独自のロシアとウクライナの和平案を投稿し、それがロシア寄りだとして批判を浴びていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)