日本テレビは26日、都内の同局で定例社長会見を行い、イギリスの名門演劇カンパニー、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーと共同製作して8日から英ロンドン・バービカン劇場で上演中の舞台「となりのトトロ」が大盛況となっていることを明かした。

映画版で音楽を手がけた作曲家の久石譲氏が舞台化を提案し、宮崎駿監督が快諾したことで始まったプロジェクト。チケットは5月17日の発売初日で3万枚が売れ、ベネディクト・カンバーバッチ主演の15年の舞台「ハムレット」を抜いてバービカン劇場の初日販売記録を更新。その後もチケットが取りにくい状況が続いているといい、10月9日付のタイムズ紙では「ウェストエンドで最もチケットが売れている公演」と報じられた。

現地観劇したというグローバルビジネスなどを担当する沢桂一取締役は「向こうは声だしOKで、トトロの一挙手一投足で会場は大歓声が起こっておりました」と語った。バス停でトトロらが並ぶシーンで、トトロがドスンドスンとジャンプすると拍手喝采だったといい「ロンドンでもジブリの人気は高い。評価は高く、ガーディアン紙では5つ星評価を頂きました」と笑顔で語った。

日テレは舞台の場面写真を公開しているが、その中に現地で大人気のトトロの写真はない。その理由については「劇場でのみ、トトロに会えるという体験をお客様にして頂きたいからです」とした。

ロンドンでの公演は23年1月21日まで。沢取締役は日本上演については「決まり次第」と語るに留め、「ルーブル美術館の館長と会った時もジブリの話で盛り上がりました。非常に珍しい例ではありますが、我々の海外進出のひとつの試金石にはなったかなと思います」と話した。