俳優森本レオ(79)が28日、都内で、1987年に公開された長編アニメ映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(山賀博之監督)の35周年記念4Kリマスター版公開記念初日舞台あいさつに出席した。

久々の公の場となった森本は、白髪が増え、メガネをかけずに水色のセーターにカーゴパンツというラフなスタイルで登場。会場の大きさや盛大な拍手に、驚きの表情を浮かべ「なんかさ、20、30人で吉祥でやるようなって聞いていたんだけど…すごいなー」と聞きなじみのある声で話した。

森本は35年前に同作の主人公シロツグ役の声を担当した。「あの映画の声優やらせていただいた時は自分でも何やっているかわからなかった。終わってもわからなかった。時々すれ違う人が、『あれはすごい』っていってくれる。ぼくはその気がなくて『ふーん』とかいって怒られていた。こんないっぱいの人が来てくれるとは思わなくて…ありがとうございます」とひとごとのように振り返りながら感謝した。

今回、4Kとして復活することについて意見を求められると「すみません、4Kの意味がよくわかっていない…」と笑わせつつ、4Kの説明を受けると「(当時から)画がめっちゃキレイで、ディズニーは軽く超えているっていうのがみんなの一致した意見でしたね。リアルを超えとるなっていっていて。それをまた超えるってどこまでいきたいんだって」と本作への期待感を示した。

同作は山賀監督はじめ、庵野秀明氏や貞本義行氏、樋口真嗣氏ら、後に多くの名作を世に送り出すトップクリエーターが集結した若き制作集団GAINAXと、バンダイがタッグを組み制作された、両社にとって初の長編アニメ映画。今なお「後世に残したいアニメーション作品」のひとつとして世界中で語り継がれる伝説的作品となっている。

 

◆「王立宇宙軍 オネアミスの翼」 主人公の兵士シロツグ・ラーダット。戦わない軍隊「王立宇宙軍」が政府には見放され、人間どころか人工衛星すら満足にあげられない状況に。いつの間にやら、宇宙への夢も遠ざかり訓練もサボり放題のシロツグ。そんなある日、街で神の教えを説くふしぎな少女リイクニに出会ったことでシロツグの運命は変わってしまう。シロツグは仲間の兵士の反対にもめげず宇宙パイロットに志願。かくして「王立宇宙軍」の威信と名誉挽回の宇宙飛行計画が開始される。