今年の日刊スポーツ映画大賞新人賞には、河合優実(22)が選ばれた。受賞に際したインタビューでは、映画「PLAN 75」で共演した倍賞千恵子(81)について語る姿が印象的だった。

倍賞は同作で日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞した。河合は、共演作で倍賞が主演女優賞に輝いたことを「すごくうれしいです。倍賞さんは欲がない方でしょうし、『表に出たい』みたいなギラギラしている感じも全くない。映画の完成を見て、倍賞さんがそのまま映っていることにすごく心を打たれたので、主演女優賞という形で賞を取られて私もうれしいです」と喜んだ。

75歳以上が生死を自由に選択できる制度「PLAN 75」を題材にした物語で、制度の利用を検討するミチ(倍賞)に寄り添うコールセンターの担当者を演じた。共演シーン数は少なかったが、倍賞の飾らない姿に胸を打たれ「言葉にしがたいんですけど、お会いして感じる人柄というか、経験なのか年齢なのか。もともと倍賞さんが持っている個性や人柄だと思うんですけど、普通の人であることにすごく感動して。すごい大女優じゃないですか。緊張もしたんですけど、本当にフラットに今まで続けてこられたんだなということが分かりました」と振り返った。

河合は倍賞を「欲がない」「フラット」「普通」と表現。大ベテランながら気取ったところが全くなく、ピュアさが記憶に残っているという。撮影終了後、2人で若いエキストラの収録を眺めていた時のことを回想し「倍賞さんが『すごい上手』『私もあんなふうにお芝居できたらいいのに』とおっしゃったんです」。大女優のあまりに素直な言葉に驚いたといい、「そんな女優さん見たことなかったですし、自分の出番が終わったら休む方がほとんどだと思うんですけど、本当に何の嫌みもなく、まっすぐ感動していて。それは忘れないですね」としみじみと語った。

具体的に目指す女優像は決めていないが、新鮮さを忘れないことを心がけ「より面白い、より新しいものに出会い続けていられたら」と話す。理想の将来については「倍賞さんにお会いした時にいただいた感覚のような、シンプルですけど、目の前のことに感動していられる人になりたい」と先を見据えた。

河合自身も落ち着いた話しぶり。「ギラギラしたところがない」と倍賞について語ったので、「河合さんもしていないですよね」と尋ねると、自身のきらびやかな衣装を指して「今日はギラギラしてます」と笑顔を返してくれた。気取らず、フラットな受け答えは倍賞と同じだと感じた。【遠藤尚子】