WOWOW定例会見が12日、都内の同局で行われた。脚本家野木亜紀子氏の新作オリジナルとして放送、配信される「連続ドラマW フェンス」(3月19日スタート、日曜午後10時、全5話)について、高江洲義貴プロデューサーが「野木さんの覚悟と優しさに感謝した」と思いを語った。

作品は、沖縄を舞台にしたクライムサスペンス。東京から来た雑誌ライターのキー(松岡茉優)と、沖縄で生まれ育ったブラックミックスの桜(宮本エリアナ)の女性バディが、米兵による性的暴行事件の真相を追う。進行形の沖縄の基地問題をドラマで表現する意欲作で、ジェンダーや人種、世代間の違い、沖縄と本土、日本と米国など、さまざまな“フェンス”をめぐる人間模様が描かれる。

沖縄・普天間出身の高江洲プロデューサーは「基地があって当たり前の環境で育ってきた。至るところに基地とフェンスがあり、空を戦闘機やヘリが爆音を鳴らしていく環境だが、大学に進学して、当たり前ではなかったと気付いた。この仕事を始めて、いつか沖縄の現在をテーマにしたドラマを作りたいと願ってきた」と企画意図を語った。

野木氏の脚本について「いま沖縄にあるさまざまな問題をエンターテインメントの力で多くの人に知ってもらおうという野木さんの覚悟と優しさに、沖縄人として感謝した」とし「政治的メッセージを伝えたいのではなく、描くのは、沖縄の現在であり、沖縄のたくさんの人たちです」と話した。

野木氏は、ドラマ「アンナチュラル」(18年)、「フェイクニュース」(18年)、「MIU404」(20年)や、映画「罪の声」(20年)など、社会派エンターテインメント作品を数多く手掛けている。