日本テレビ系演芸番組「笑点」(日曜午後5時30分)の新メンバーに春風亭一之輔(45)が就任したことが5日、わかった。同日放送の番組内で発表された。

一之輔は同放送から番組に参加。同局を通じてコメントを発表し「自分でもちょっと驚いておりますけれども、これから、程よく、力を抜いて頑張ってゆきたい。のんびりしたゆる-い時間を味わっていただければと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします」とした。

関係者によると、収録が行われたのは放送前日の4日だった。初収録の感想については「くたびれました」といい「落語を30席くらいやるくらい。心地よい疲れです」。点数については「伸びしろがまだあるので50点!」と答えた。

また、所属事務所を通じてもコメントを発表。「なんだか分かりませんが白羽の矢が立ちましてそういうことになりました」と心境を明かし「程よく力を抜いて頑張っていきつつも、今まで通り落語をご機嫌にやっていければと思います。落語家が毎週大勢出ている地上波の番組は笑点しかないのでその番組のレギュラーに選んでいただいた意味を踏まえつつ、笑点をきっかけに私を知ってくださった方が落語会や寄席を見に行きたいという気持ちになってくれればうれしいです」と意気込んだ。

また、司会の春風亭昇太も日テレを通じてコメントを寄せ、新メンバーを伝えられた時の心境について「よく引き受けてくれたなとびっくりしました。忙しい人なので、笑点どうですか?といわれても断るんじゃないかと思っていたくらいだったので、とにかく驚きました」とつづった。

初収録での一之輔の姿については「すでに自分の立ち位置みたいなものをわかっていて、これからますますやりやすくなるなと喜んでます」とした。

笑点では約45年間に渡ってレギュラーメンバーを務めていた6代目三遊亭円楽さんが昨年9月30日に72歳で亡くなり、席が空いた状態が続いていた。同1月に円楽さんが脳梗塞で入院して番組出演を一時休止していた時は、同2月6日から9月25日まで代役が週替わりで出演したこともあり、一之輔もそのうちの1人として出たことがあった。昨年加わった桂宮治に続き、2年連続での新メンバー加入となる。

一之輔は2001年に春風亭一朝に入門すると、2012年には単独21人抜きで真打に昇進。年間約900席もの高座に上がり、ドラマ、ラジオなどのメディアにも出演。“最もチケットが取りにくい落語家”として知られており、ネット上でも新メンバーに一之輔を予想する声は多く挙がっていた。

日本テレビも発表文で「今、落語界で最もチケットがとれないともいわれる、21人抜きの抜てき真打という新進気鋭の新メンバーを迎え、新たなページをスタートした『笑点』にご期待ください!」とつづった。 同局の福田博之常務は昨年10月の定例社長会見で、後任の選定基準について「いろいろな観点から次の方を選ぶ、お願いをしたいと思っております」とし「席があいていますので、急ぎたいとは思っています」と語っていた。

◆春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)1978年(昭53)1月28日、千葉県野田市生まれ。日大芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門、前座名は朝左久。04年に二つ目に昇進し、一之輔に改名。12年真打ち昇進。NHK新人演芸大賞、文化庁芸術祭新人賞、国立演芸場花形演芸大賞など。