90年代のフジテレビ系人気番組「料理の鉄人」の“中華の鉄人”として人気を博した料理人の陳建一(ちん・けんいち)さん(本名・東建一=あずま・けんいち)が11日に都内の病院で間質性肺炎のため死去した。67歳。陳さんが会長を務める四川飯店の公式サイトで発表された。葬儀は近親者で執り行われ、後日、社葬とお別れの会を開くという。

陳さんは、日本に四川料理を広め、四川料理の神様と呼ばれた陳建民さんの長男で、90年に父の後を継ぎ四川飯店のオーナーに就任。93年から出演した「料理の鉄人」には黄色のコスチュームカラーでは出演、番組スタート時から最終回まで出演した唯一の鉄人で最多出場回数を誇った。

◆陳建一(ちん・けんいち)1956年(昭31)東京都生まれ。玉川大学卒業後、父の経営する赤坂四川飯店で修業開始。90年、赤坂四川飯店社長就任。93年フジテレビ系「料理の鉄人」に出演。「NHK きょうの料理」に講師としても出演。2015年から四川飯店グループ会長。「鉄人陳建一の中華料理」など多くの著書がある。公益社団法人日本中国料理協会の会長も務める。

◆「料理の鉄人」 1つの食材で「鉄人」と「挑戦者」の料理人が腕を競う料理バラエティー。放送期間は1993年10月~99年9月。スペシャル版を含め295回放送された。初代鉄人は中華の陳建一、フレンチの石鍋裕、和食の道場六三郎。主宰・鹿賀丈史の独特の存在感、福井謙二アナの本格実況、多彩なゲストの試食と採点などショーアップされた演出で、最高視聴率は23・2%。