ドミニカ共和国出身の女優豊原江理佳(27)が、米ディズニー名作映画「リトル・マーメイド」実写版(6月9日公開)の主人公・人魚アリエル役の吹き替え版声優に内定した。

オーディションの1カ月後、サプライズ合格を言い渡されると、言葉を失い号泣した。「足がすごくすくんで、信じられなかったです。本当に強く望んでたというか、本当に(アリエル役を)やりたかったので、信じられなかったし、今も信じられないですね。うれしいとか、びっくりしたという感情もまだ湧かないくらい感激しています」と語った。

本作の主人公は、海の王女アリエル。まだ見ぬ人間の世界に憧れていたアリエルは、おきてによって禁じられているにも関わらず、ある日人間の世界に近づき、嵐に遭った王子エリックを救う。この運命の出会いによって、人間の世界に飛び出したいという思いを抑えきれなくなったアリエルは、海の魔女アースラと恐ろしい取引を交わす。それは、3日間だけ人間の姿になれる代わりに、世界で最も美しい声をアースラに差し出すことだった。

豊原は「アリエルが人間の世界に行きたいという強い憧れを一番に感じます。それは人魚のアリエルが人間の世界に行きたいというだけではなくて、私たちも強く感じることのある気持ちだと思いますので共感できるし、そこに手を延ばしていくアリエルがすごく印象的です」と意気込んだ。本編では楽曲「パート・オブ・ユア・ワールド」で美声を披露する。

米国版主人公のハリー・ベイリーからもサプライズのエールが届いた。「アリエル役おめでとうございます! あなたのすてきな歌声とともに、日本の皆さまに『リトル・マーメイド』の魅力が届くことを楽しみにしています。自分を信じて飛び込んでいけば、あなたはきっと沢山の人の心を動かせると思います」と伝えられると、再び涙した。

豊原はベイリーについて「うまいし、すごく芯があって強いんだけど、繊細ですごくおちゃめだったり、少女の心もあったり、すごく不思議な声だなと思いました。ただパッションのある声ってだけじゃなく、唯一無二の声だなと思ってすごくびっくりして。その後オーディションで映像をしっかり拝見したんですけど、とにかくかわいくて、すごく夢中になりました」と目を輝かせた。

最高の作品に仕上げてみせる。豊原の言葉には力がみなぎっていた。「とにかく本編を楽しんでこのすてきな世界を声で表現をして、自分が今いる場所から境界線を越えて自分の行きたい場所に行く、かなえたい夢をかなえる、という強さやその中にある怖い気持ちや繊細なものを作品の中に込めて日本の皆さんにお届けできたらよいな、と思います」と力強く話した。

 

◆豊原江理佳(とよはら・えりか)1996年(平8)4月8日、ドミニカ共和国出身。08年にミュージカル「アニー」の主人公アニーでデビュー。15年には単身で米ニューヨークへ留学。21年「キネマの神様」(山田洋次監督)にも出演。特技は英語、ジャズダンス、タップダンス、バレエ、ピアノ。現在、事務所は「ワタナベエンターテインメント」に所属。156センチ。A型。