櫻坂46が1日、大阪城ホールで、全国ツアーの千秋楽公演を開催した。

アンコールでは藤吉夏鈴(21)が表題曲初センターを務める新曲「Start over!」(6月28日発売)を初披露した。独自の世界観を詰め込んだパフォーマンスでファンを魅了し、観客の“声出し”解禁後初のツアーを完走した。

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アンコール明けで藤吉の荒い息遣いが聞こえると、「Start over!」のイントロが流れ、サプライズ初披露にファン1万人が沸いた。藤吉はメンバーたちの上を駆け上がるように乗っかるなど独特のパフォーマンスを見せた。普段はおとなしい性格だが、何かが憑依(ひょうい)したように猟奇的な笑顔で魅了した。歌唱後に「楽曲の中で力強く、すごく自由に生きることができて、幸せでした。ありがとうございました」と涙し声を詰まらせながら頭を下げると、大きな拍手を浴びた。

キャプテン松田里奈(23)は「曲が鳴った瞬間、皆さんからすごい歓声をいただいて。湧き上がる感情が伝わってきて、一気にスイッチが入った感じがしました。こんなに喜んでくださってうれしいです」と感謝した。齋藤冬優花(25)は「夏鈴ちゃんがみんなの上に登るところで、私は夏鈴ちゃんのおしりの下にいるんですよ。みんなが1つになって作ってるんだな、って思ってもらえたらうれしいです」とアピールした。

「Start over!」は、ルールや規則にとらわれず無邪気に解放していく姿を表現したナンバーだ。欅坂46時代に一世を風靡(ふうび)した「不協和音」や「黒い羊」などの楽曲も想起させつつ、櫻坂46メンバーの魅力も引き出したメッセージ性の強い曲。MV(ミュージックビデオ)は先月30日のYouTube公開から2日で早くも110万回再生を突破するなど話題となっている。

今年は11月25、26日に千葉・ZOZOマリンスタジアムでグループ初のスタジアムライブを控えている。田村保乃(24)は「どんなに険しい坂道も挑戦し続けられるのは、Buddies(ファンの総称)の皆さんがいつもそばにいるからです。皆さんの大きな愛に負けないように、全部出し切っていきたいと思います!」と宣言。大歓声を浴びた。【横山慧】

○…今年1月加入の三期生11人も初ツアーを終えた。谷口愛季(18)センターでオリジナル楽曲「夏の近道」を披露し、「BAN」の冒頭では石森璃花(21)、「Dead end」では村井優(18)が堂々とセンターを務めた。中嶋優月(20)は「先輩たちと一緒にいられる時間が増えて、間近でいろんなことを学ばさせていただきました。初めてのツアー期間で皆さんからも力をもらって、少しずつ成長できたんじゃないかなと思います」と振り返った。若手メンバーも順調に育ってきている。