元タレントの上岡龍太郎(本名・小林龍太郎)さんが5月19日、大阪市内の病院で、肺がんと間質性肺炎のため亡くなったことが2日、明らかになった。81歳だった。

上岡さんと、日本テレビ系で90年4月から94年4月まで放送された深夜ワイドショー番組「EXテレビ」で共演した大竹まこと(73)が同日、パーソナリティーを務める文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜午後1時)に生出演。同番組内で上岡さんの訃報に触れ、追悼のコメントを発表した。

大竹は「後々、聞くと、私の危なっかしい発言を、上岡さんも若い頃、際際の発言をされていて『こいつ、危なっかしいヤツだな…呼んでやろうと』」と、自身にシンパシーを感じた上岡さんが目をかけてくれたと振り返った。斉木しげる(73)きたろう(74)と3人組コントユニット「シティボーイズ」を組むが「シティボーイズは…俺たち、アンダーグラウンドの演劇から出てきた。お笑いの世界から出たら師匠はいたんだろうけど、俺たちは誰もいない」と語り、自身の中では大阪における師匠は上岡さんであると示唆した。

大竹は「引退から23年もたっているんだ…57、58で辞めてるよな?」と、改めて上岡さんの早期の芸能界引退に驚きを示した。そして、上岡さんが00年に引退した当時、芸能界で語られていた逸話も披露した。

「うわさですけど、奥さんがいらして、当時56、57くらい…僕からしたら脂ののりきった、良いコメントを出される方だと思ったけれど。奥さんに『俺のテレビを見てズレたり、間違ったりしたら、俺は嫌いだから、すぐ言ってくれ』と言ったら『あなた、今です。してます』と言われ『えっ?』と驚いて…。出来話だから、本当からズレている可能性があるけど、そういう話が出ている」

大竹は「もう1つ、大事なことを教わった」と、上岡さんから学んだ、芸人としての生き方を明かした。

「ゴルフやったり、いろいろなことでお世話になって。その中で『芸人は何したら良いか知ってるか? 物事のな、核心をつかんだら、うんこの周りを飛び回るハエのようにぶんぶん、飛び回ってれば良いんだ』と」

大竹は「僕の解釈だけど、物事の芯をつかんだから正義のなたを振るう必要はない。その周りをぶんぶん飛んで、笑わせたり…と解釈している。なるほどなと思った」と振り返った。その上で「しかも、今は、その物語をつかむのは難しい時間に入ってる。『ぶんぶん飛んで、ちゃかしておれ…それが我々の仕事。それは芸人の根本』と、昔からやってることを言葉に代えてくれたと思う」と振り返り「教えは、私のそれからに、ものすごく影響していますね。まぁ…時代は代わって、芸人さんは、コンプライアンスで昔のようなことは出来ないけれども」と上岡さんに感謝した。

自身も喫煙者だが、喫煙者だった上岡さんが肺がんと間質性肺炎のため亡くなったことについては「人に迷惑をかけちゃいかん、というのは十分、分かっていますけど、おいしかったんじゃないですか?」と心中を想像した。そして「懐かしんでも、しょうがない。とってもお世話になりました。謹んでご冥福をお祈りするって申し上げれば良いんですかね」と、上岡さんを悼んだ。