作家北方謙三氏(75)が25日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。

北方氏は23年間にわたってつとめてきた直木賞の選考委員を今年1月に突然、退任したが、パーソナリティーの生島ヒロシ(72)が「どうしてですか?」と“直球の質問”を投げかけると、「あのねぇ。直木賞というのは、社会的な波及性が賞にあるから、選考委員も社会的な権威を持っちゃうんです。社会的な権威というのは…作家ってね、権威を持っちゃいけないですよ。権威と相反するところにいるのが作家でしょ。私、23年やってて10年くらいで気が付いてきて、いたたまれなくて。でも誰かが選ばなきゃいけない。選ぶ人間は必要なんだと。それで10年くらいたったんですけどね。辞めたんですね、全ての静止を振り切って。そうしたら周りから『どっかお悪いんでしょ』って」と笑った。

生島が「普通は辞めないわけですよね。いや~、やっぱり、北方謙三さんらしい判断ですね」と話すと、北方氏は「それはね。ほとんど、生き方の問題です。ただの生き方の問題です」とサラリと言ってのけた。

モンゴルの希代の英雄チンギス・カンの生涯を描いた北方氏の歴史大河小説「チンギス紀 十七 天地」が、26日に集英社から発売される。第1巻、第2巻同時発売から5年余りの時をかけて全17巻、ついにシリーズ完結を迎える。これを記念してTBSラジオでは28日午後8時から特別番組「北方謙三×神田伯山『チンギス紀』をめぐる対話」が放送される。