シンガー・ソングライター小田和正(75)が2日、地元の神奈川・横浜アリーナで、全国ツアー「こんどこそ、君と!!」のファイナル公演を行った。現在75歳11カ月で、自身が持つアリーナツアー最年長記録を更新。34度を超える猛暑の中でも、全長150メートルの花道を走り回り、ファンとライブを作り上げた。

狭い楽屋を走る、ラジオ体操、声出し。ライブ直前まで努力を欠かさず、ここまで体を管理してきた。オープニングの「風を待って」は、センターステージで歌唱。2曲目は「会いに行く」。「どうもありがとーう!」と叫び、小走りで花道を1周。曲名通り、会いに行って感謝を伝えた。

ツアーファイナルで、テンションも高い。小田は「最終日ということで、変に盛り上げようとするとコケるので、できるだけいつも通りやろうと思っていましたが、なんといっても最終日!みんなで思い切り盛り上がっていきたいと思っています」と、ちゃめっ気たっぷりに呼びかけた。

昨年、約3年ぶりにツアーを開催。だが、自身のコロナへの感染や台風の影響で、一部の公演が中止になった。2年連続となった今回のツアーは、昨年のツアーの振り替え公演を含む9カ所18公演で、計18万人を動員した。ツアー名は「こんど『こそ』」とし、“リベンジ”の思いも入れた。

ライブは約2時間半で、代表曲「ラブ・ストーリーは突然に」「言葉にできない」など、のべ25曲を披露。「大谷(翔平)君がホームランを打つと、その日一日中、元気でいられる。僕も頑張らないと、と思っています」。来月76歳を迎えるが、ファンクラブの会員数は過去最多と、キャリアハイを更新中。29歳大谷の約2・6倍という年齢差も忘れさせる、バイタリティーにあふれた笑顔と美しい歌声で、ステージというフィールドを走り抜けた。【佐藤勝亮】