あふれるサーフィン愛が、町を盛り上げる一大イベントへと発展した。7月下旬に千葉・一宮町の釣ヶ崎海岸で行われていた一宮町主催、吉本興業が企画制作・運営を担ったイベント「千葉県誕生150周年記念 ICHINOMIYA SURFING FESTIVAL」を取材した。所属サーファーの野呂玲花をはじめ、鬼越トマホークやジェラードン、ZAZY、南海キャンディーズのしずちゃん、スパイク、ゆりやんレトリィバァ、ひょっこりはん、ウエスPら人気芸人、久代萌美アナウンサー等が日替わりで出演。東京五輪のサーフィン会場にもなった“日本が世界に誇るサーフポイント”をバックにトークショーやネタ披露するなどして盛り上げた。 イベントの統括責任者を務めたのが、吉本興業スポーツ事業部の中村修梧氏(30)。明大野球部出身の彼が引退後にハマったのがサーフィン。好きが高じ“本場”一宮町でのイベント開催を実現させた。
初めて動いたのは2018年。当時、千葉・外房まで週2度ペースでサーフィンに向かっていた中村氏は、一宮町役場へアプローチをかけた。「サーフィン×エンタメをフックに一緒にイベントできないですか」。五輪前年となる2019年を盛り上げる1年前イベントの提案を出した。
思いが実り、2019年7月に一宮海水浴場でココリコ遠藤章造や横澤夏子、おばたのお兄さんらを起用したイベントが実現した。「自分が好きなサーフィンはもちろん、一宮町の魅力を発信すること。少しでもこの町のためにと思っているので、そういう意味でもすごく楽しいです」。
今回は、コロナ禍での五輪延期、無観客開催なども乗り越えた末で実現した4年ぶりのイベントだった。春に一宮町から出された公募に応募。約1000万円という限られた予算の中でステージイベントや体験型イベント、会場装飾案、PR施策などのアイデアをそろえ、見事採用された。
期間中に海では国内最大規模の国際サーフィン大会「CHIBA ICHINOMIYA OPEN 2023」も行われており、ビーチカルチャーにフィーチャーされたブースが並んだ。イベント制作会社は経由せず、中村氏らが直接連絡をとってステージ組みは地元の職人、会場入り口のアーチや中央に置いたオブジェも地元の流木アーティストに製作を依頼した。
結果として、10日間の開催期間で想像を超える多くの来場客が足を運んだ。「ご来場いただいた方々に町やサーフィン、ビーチカルチャーの魅力を知るきっかけ作りができたと思うので良かったです。皆様の良い夏の思い出になればなと思っています」。真っ黒に日焼けした顔で、中村氏は笑った。
馬淵昌也町長や町議会の鵜沢清永議長も登壇するなど一宮町として一体感があるイベントにもなった。中村氏は「職員の方々も喜んでくださっていて、町長からも『楽しかったです、ありがとう』とお声掛けいただきました」と明かした。 アクセスの周知の強化などは今後の課題のひとつとした上で「イベントが終わって見えた良かったところ良くなかったところ、その辺りをブラッシュアップして、次はもっともっとワクワクする楽しいイベントを企画したいです。また、(一宮町に限らず)地方でもまだまだ面白い展開が考えられるなと可能性を感じました」と今後のさらなる展開にも想像を膨らませる。周囲のサポートへの感謝も口にし「今回、役場職員の方々含め、サーフィンに知見のある方にアドバイスをいただいたり、フラダンスの先生方やビーチヨガを展開していただいたルルレモンさん、その他さまざまな企業・団体の方々、地元の方々の温かいサポートのおかげで走りきることができたので、本当に感謝しています」。
波に乗る時間を愛し、“サーファーの聖地”での仕事へとつなげた。一宮町については「海に山、そんな豊かな自然や、人々の温かさは、サーフィンや特産品に並ぶ一宮町の大きな魅力」と語る。サーフィンの魅力については「とにかく自然のパワーを感じられる。基本的に薄暗い早朝から外房のポイントで海に入ることが多かったんですけど、水平線から登ってくる太陽を見るのがそれがまたすごく気持ちがいいですし、本当に一日が充実します。朝活の極み的な感じです」と笑みをこぼした。一宮町との歩みは始まったばかり。今回の経験を生かし、また次のステップへと進んでいく。



