元バスケ部だったウエンツ瑛士(37)が、25日開幕のバスケットボール男子ワールドカップ(W杯、沖縄・フィリピン・インドネシア)について、このほど本紙の取材に応じた。ドイツ、フィンランド、オーストラリアと強豪ぞろいの1次ラウンドを戦う日本代表「アカツキジャパン」に「全勝してほしい」とエールを送った。【聞き手=佐藤勝亮】
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いよいよ沖縄などでW杯が開幕する。
「僕はバスケを小学校から高校の頭までやっていました。その頃憧れるのはNBAだけだったのが、今は日本人でNBAに行く人が出たりで。ずっと応援してきましたけど、『無理だろうな』というところから、『あり得る』というところにきているのですごく楽しみですね。沖縄開催もいいですよね。リゾート地としてではなく、違う側面でも注目されるきっかけになればいいなとも思います」
なかでも、21年の東京五輪でバスケットボール女子日本代表を銀メダルに導いたトム・ホーバス監督(56)が行った意識改革に注目しているという。そして注目選手には、22-23年シーズンBリーグMVPの河村勇輝(22=B1横浜ビー・コルセアーズ)を挙げた。
「僕も背が小さい人間ですから。日本の勝ち筋としては、スピードとスタミナというところになると思う。やっぱり体格とか持って生まれたものでの戦いでは、どうしても相手に分があると思うので、その部分がどう変わっていくのか、すごい楽しみですね」
ウエンツ自身は、NBAに憧れバスケを始めた。ポジションはガードだった。
「本当に小さい頃から好きだったんですよね。NBAのカードをずっと集めてました。僕には全然地力がありませんでしたけど、当時はバスケが夢に繋がりづらかったと思うんですよ。日本人で高校、大学までやったら、何やるの? みたいな。バスケで先が見えなかった時代です。憧れはNBAだけど、大学に行ってからNBAの道もあるのかな? とか。それが今はいろんなステップがあって。NBAを最後のステップと言っていいかは別として、バスケを続けた人がお金も稼げるし、活躍できる場がある。そういうのが、このW杯に繋がっているんだなと思いますね」
日本代表にはNBAプレーヤーの渡辺雄太(28=サンズ)も名を連ねている。世界ランキング36位の日本は、開幕日の25日にドイツ(同11位)と対戦。27日にフィンランド(同24位)、29日に東京五輪銅メダルのオーストラリア(同3位)と1次ラウンドを戦う。
「本当に強いですよね。でもバスケは流れ1つだと思うので、そういう意味ではね、オーストラリアは本当に強いんだけど、やっぱり全勝してほしいですね。全勝しないと、その次のラウンドの立ち位置が悪くなってしまうので。サッカーのW杯でも強豪を破りましたし、全勝でいってほしいです!」
その上で、最後にエールを送った。
「本当に僕がちっちゃい頃には想像もしなかった、日本のチームを作ってくれていることにすごく感謝しています。一挙手一投足、プレー1つで大きな夢を抱く子供たちもたくさん出てくると思うので、ぜひとも頑張ってほしいです。あと、選手1人1人にとってはその後もあると思うので、本当にケガのないようにして欲しいです。ワールドカップ後のキャリアもすごく楽しみにしてるので、そこも含めて頑張ってほしいです!」