俳優稲垣吾郎(49)が主演を務める11月10日公開の映画「正欲」(岸善幸監督)の場面写真が5日、公開された。同作は第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウによる同名小説を映画化。主演稲垣のほか、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香らを出演者に迎えた。主要キャストが登場する新場面写真を解禁された。

同作は家庭環境、性的指向、容姿-様々に異なった”選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマをあぶり出していく衝撃的なストーリーさ。現在公開中の特報映像をはじめ、SNS上では情報解禁のたびに「興味を惹きつけられる作品」「小説を知った上で映画見るのは初めてだけど期待が膨らんだ」「人生の深淵を覗けそう」など、期待の声が続々と上がっている。

この秋最大の話題作として早くも注目を集める本作から新たに解禁されたのは、稲垣、新垣、磯村、佐藤、東野ら主要キャストたちのワンシーンを切り取った場面写真だ。

稲垣が演じるのは、検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人で暮らす寺井啓喜(てらい・ひろき)。息子が不登校になり、教育方針を巡って妻とは度々衝突している。この度解禁された場面写真では、戸惑いの表情で誰かをまっすぐ見つめる寺井の姿が。彼の視線の先にいるのは一体--?

新垣が演じるのは、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅう・なつき)。実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。磯村が演じるのは、両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道(ささき・よしみち)。新たに登場した場面写真では、夏月と佳道が、無言で前後に並びバスに揺られる姿が写し出されている。

佐藤が演じるのは、ダンスサークルで活動し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(もろはし・だいや)。東野は、そんな大也と同じ大学に通い、学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画し、彼が所属するダンスサークルに出演依頼をする神戸八重子(かんべ・やえこ)を演じている。絶妙な距離感のふたりの間に、一体何が起きたのか?

それぞれに人生を歩んできた5人。少しずつ、彼らの関係は交差していく。誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、とつながり合うことを希求する彼らのストーリーは、どうしたって降りられないこの世界で、生き延びるために大切なものを、強い衝撃や深い感動とともに提示する。

また、前売り特典付きムビチケが、15日(金)から発売されることが決定した。ムビチケカードは、稲垣演じる寺井と新垣演じる夏月が交錯するかのようなデザインに。さらに、ムビチケの前売り特典として「クリアしおり」が決定。主要キャラクターたちの印象的な表情を切り取ったしおりに仕上がっている。前売り特典付きムビチケは、15日(金)から発売開始、税込み1600円。

▼あらすじ 横浜に暮らす検事の寺井啓喜(稲垣)は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月(新垣)は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。

ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(佐藤)。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子(東野)はそんな大也を気にしていた。

▼原作:「正欲」(新潮文庫刊) 原作小説は、09年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年「何者」では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作。21年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身が「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語る通り、共感を呼ぶ傑作か、目を背けたくなる問題作か…「この衝撃は読んでみないとわからない」「もう読む前の自分には戻れない」と、続々と読者が増え続けている。